混乱のカタールW杯開幕戦…チケット高騰にスタジアム周辺が大渋滞…史上初の開催国初戦黒星に地元サポーターはそっぽ?!
サッカーのW杯カタール大会が20日(日本時間21日未明)、6万7372人の大観衆が詰めかけた同国北部アルホールのアルベイト・スタジアムで開幕。グループAのエクアドル代表が2-0で初出場のカタール代表に快勝した。キックオフ前にスタジアム周辺で大渋滞が発生した一戦は、後半途中から勝利をあきらめたカタールのサポーターが続々と帰宅。中東で初めて開催されるW杯は、22回目にしてこちらも史上初となる開催国の黒星発進で幕を開けた。
6万人収容のスタジアムで定員オーバー
残り時間が10分を切ったあたりで、大音量のアナウンスが響きわたった。史上初めて中東で開催されるW杯。記念すべき開幕戦の観客数が6万7372人と発表された瞬間だった。
もっとも、同時にちょっとした違和感が頭をもたげてくる。カタールW杯開催へ向けて建設され、2020年1月に完成したアルベイト・スタジアムの座席数は6万席とされていたからだ。
4年に一度開催されるサッカー界最大の祭典に、初めて臨む自国の代表チームを大声援とともに後押ししたいという思いが、座席数を大きく上回る観客を導いたのか。確かに前半のキックオフ時点における、膨れ上がるようなスタンド全体の光景は圧巻だった。
しかし、観客数が発表されたタイミングは最悪だった。
気の早いサポーターは、カタールが2点のビハインドを背負って迎えたハーフタイムですでに席を立った。巻き返す予感がまったく漂ってこない後半の早い段階からは、メイン、バック、そして両方のゴール裏を埋めていた白装束姿のサポーターが続々と家路に着き始めた。
結局、観客数が発表された時点では、赤色の客席ばかりが目立つ状況になっていた。スタンドとの一体感をまったく作り出せず、22回目を迎えたW杯で初めて黒星スタートを喫した開催国になったカタールのフェリックス・サンチェス監督(46)は試合後にこう語った。
「この結果は明らかにわれわれが望んでいたものではない。しかし、言い訳はいっさいしない。勝利したエクアドルを祝福したいし、われわれは最高のレベルでプレーできなかった」
今大会のチケットは、国際サッカー連盟(FIFA)の公式サイト上でのみ販売された。
今年2月8日を締め切りとして抽選方式でまず販売。さらに3月23日からは先着順での販売が始まり、4月1日の組み合わせ抽選会をへて、同5日からは対戦カードを選んだ上での第2回抽選販売がスタート。当然ながらカタール対エクアドルの開幕戦の値段が高騰した。
最も高いカテゴリー1の席で2250カタール・リヤル(QR、約8万6000円)。これは他のグループステージの800QR(約3万円)をはるかに上回るだけでなく、強豪国同士の白熱の好勝負が望める準々決勝の1550QR(約6万円)をも超える金額にはね上がっている。