W杯史上最大“番狂わせ”にアルゼンチンのメッシが緊急ミーティングで巻き返し誓う…「大ショックだが、今こそ団結する時だ」
負けられないアルゼンチンの怒涛の攻撃が続く。リオネル・スカローニ監督はマルコス・アクーニャを投入して、さらに攻撃陣を厚くし、34分には、ゴール正面でメッシがFKを得た。直接ゴールを狙うが、そのシュートはクロスバーの上へ。38分にはファーサイドでフリーになったメッシが斜めに放り込まれたクロスにヘッドを合わせたが、キーパー正面。アルゼンチンがほとんどボールを保持するが、コーナーキックからの攻撃などもワンパターンでサウジアラビアの強固なディフェンスをこじあけることができない。
「私たちはなんとかしようとしたが、少し焦ってしまった。パフォーマンスレベルを失い、必死にただ中央にボールを入れ始めた」
メッシも攻撃が単調になっていたことを認めた。
試合後、メッシが声をかけてロッカールームで緊急ミーティングが開かれた。
「みんなで話し合った。こんなスタートになるとは思っていなかったので、とてもつらくショックだった。私たちは自信を持っていたが、物事が起こるのには理由がある」
そして、メッシは、こう巻き返しを誓った。
「私たちは、いつもすべての試合に勝つつもりだと言ってきた。そして今、これまで以上に勝ち続ける必要がある。それは私たち次第。最初の試合なので、間違ったことを正し、自分たちが何ものであるかの基本に戻らなければならない」
グループCのもうひとつのカードであるメキシコとポーランドは0-0で引き分けた。両チームとも強敵でアルゼンチンは26日にメキシコ、30日にポーランドと対戦する。
アルゼンチンは、1990年のイタリアW杯でもエースのディエゴ・マラドーナが故障で精彩を欠き、初戦で格下のカメルーンに0-1で敗れる番狂わせがあった。だが、そこからソ連に2-0で勝ち、ルーマニアとは1-1で引き分けたが、勝ち点1を奪い、グループリーグ3位で、決勝トーナメント進出を決めて、結果的に決勝へ進出した。西ドイツに0-1で敗れたが、初戦敗戦から這い上がる意地を見せて大会を盛り上げた。
狙うは、その1990年の再現。
スカローニ監督も、「次に進むためには、2試合に勝たなければならない。もちろん難しい試合だけど、今日の結果がどうであれ、とにかく全試合に勝つことを目指す」と前を向く。
今回が5度目のW杯となる35歳のメッシは大会前に「これが最後のW杯になる」と公言していた。まだ一度も頂点に立ったことのない天才は、その有終の美をどんな形で飾ることができるのか。