真昼の決戦となるコスタリカ戦を想定して日本代表は酷暑の中で調整した
真昼の決戦となるコスタリカ戦を想定して日本代表は酷暑の中で調整した

明日W杯コスタリカ戦…勝利でも森保Jに残る”最悪のシナリオ”とは?

 FIFAワールドカップ・カタール大会のグループE初戦で、強豪ドイツ代表を撃破する大番狂わせを演じた日本代表が明日27日13時(日本時間同19時)、ドーハ郊外のアフメド・ビン=アリー・スタジアムでコスタリカ代表との第2戦に臨む。日本がコスタリカに勝利し、続けて行われる一戦でスペインがドイツに勝つか引き分けるかで日本の決勝トーナメント進出が決まる。だが、もしドイツがスぺインに勝てば、最終戦の結果次第で日本、スペイン、ドイツの3チームが2勝1敗で並び、得失点差の争いに委ねられる“最悪のシナリオ”も実は存在しているのだ。

 アトランタ五輪「マイアミの奇跡」は2勝1敗でもグループリーグ敗退

 

 コメントをあらためて読み返すと、森保一監督(54)が残した意味深な言葉に気がつく。W杯優勝4度のドイツから逆転勝利を奪い、世界を驚かせたグループステージ初戦から一夜明けた24日に設定されたメディア対応。その冒頭で指揮官はこう語っている。
「このグループを戦っていく上では大きな勝ち点3となりますけど、いろいろなシミュレーションをしても安心できる勝ち点3ではないと思っています」
 いろいろなシミュレーションのなかに“最悪のシナリオ”が含まれている。
 カタール時間の27日に2試合が組まれているグループEの第2戦。日本がコスタリカに勝利し、スペインがドイツに勝つか引き分けるかで、日本時間12月2日未明のスペインとの最終戦を待たずして日本の2大会連続4度目の決勝トーナメント進出が決まる。
 しかし、ドイツが意地を見せてスペインに勝てば状況は一変する。
 この段階では勝ち点6の日本がトップに立ち、スペインとドイツが同3で、コスタリカが同0で続く。そして最終戦でスペインが日本を、ドイツがコスタリカをともに下した場合、2勝1敗で日本、スペイン、ドイツの3チームが並び、得失点差の争いに委ねられる。さらにスペインは初戦で7-0のゴールラッシュでコスタリカを一蹴し、得失点差では優位に立っている。
 出場チーム数が32に増え、AからHまでの8グループの上位2位までが決勝トーナメントに進出する現行方式になったのが1998年のフランスW杯。それ以降の6大会で、勝ち点6を獲得したチームがグループステージ敗退を喫したケースは一度もない。
 ただ五輪では“最悪のシナリオ”が現実化している。1996年のアトランタ大会。悲劇に見舞われたのは、銅メダルを獲得した1968年メキシコ大会以来、28年ぶりに五輪の舞台へ戻ってきた日本だった。グループDの初戦でサッカー王国ブラジルを1-0で撃破。いまも語り継がれる「マイアミの奇跡」を起こした日本だったが、第2戦でアトランタ大会の金メダリストとなるナイジェリアに0-2で完敗。ハンガリーとの最終戦で3-2の逆転勝利をもぎ取ったものの、ブラジル、ナイジェリアとともに2勝1敗で並んだなかで、得失点差で両国の後塵を拝してしまった。

 

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