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ドイツに勝った日本がコスタリカに負けた。試合後に選手が残した言葉から敗因を紐解くと…(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
ドイツに勝った日本がコスタリカに負けた。試合後に選手が残した言葉から敗因を紐解くと…(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜ日本はコスタリカに負けたのか…吉田、守田、鎌田、伊東、堂安らが発した現地の声から紐解く「違和感」の正体とは?

 しかし、まずは自陣にリトリートし、守備を固めながらカウンターの機会をうかがうコスタリカを攻めあぐねる。カウンターを恐れて、有効な縦パスも入れられない。最終ラインを中心に、コスタリカが作るブロックの周囲で横パスを回す時間がひたすら続いた。
 前半の日本を、鎌田はこんな言葉とともに振り返っている。
「連携というよりも、いい守備がまずできてなかった。なので、自分たちがいつも狙っている、そこからいい攻撃につなげることができなかった、という感じでした。ただ、前半に関しては0-0で折り返すのは別に悪くない、という話をチームのみんなとはしていました」
 それでも森保監督は動いた。前半の残り数分になって、ベンチ前のテクニカルエリアから指で「3」を作ったサインを何度も送った。3バックにスイッチし、コスタリカの3バックに対して日本の前線も1トップ2シャドーにして数を合わせ、守備をはめていく指示だった。
 具体的には左から長友佑都(36、FC東京)、吉田、板倉滉(25、ボルシアMG)で最終ラインを形成。山根を前にあげて左の相馬とともにウイングバックを形成し、後半開始からは長友に代えて伊藤を投入。最終ラインに高さと、左利き特有のフィード力を加えた。
 先発5人の入れ替えを、吉田は「もともと想定していた」と受け止めた。
「勝ち進んでいくためにターンオーバーが必要だと、監督が大会前から何度も言ってきたし、そのために全員が準備を積み重ね、全員がコンセプトをしっかり共有していた。FWもフレッシュな選手を入れるという狙いがあったと思うし、特に難しさは感じませんでした」
 しかし、攻撃陣が抱いた感覚はやや異なっていた。
「前のメンバーがほとんど変わって、コンビネーションの部分が難しかったのかなと思いました」
 ベンチスタートだった伊東純也(29、スタッド・ランス)は、鎌田を除いた顔ぶれが一変した前線の4人から違和感を覚えていたと試合後に語った。さらに堂安は、結果として引き分けでもOK、というゲームプランとは真逆の思いがどうしても脳裏をかすめたと明かす。
「みんなのなかで『この相手からは勝ち点3を取らなきゃ』という思いが少しよぎったのか、ボールを持っていてもいい場面で簡単に相手へわたすとか、ロングボールを蹴ってしまうとか。焦ってはいけないとわかっていたのに、結果だけを見ると相手の罠にはまってしまった印象がある」
 ジョーカーのMF三笘薫(25、ブライトン)が投入された、後半17分以降も流れを変えられなかった。例えば43分。左サイドをえぐった三笘が、ゴールライン際からマイナス方向へパス。鎌田が放ったシュートは守護神ケイロル・ナバス(35、パリ・サンジェルマン)に防がれ、FW浅野拓磨(28、ボーフム)が狙ったこぼれ球もナバスにキャッチされた。

 

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