海外メディアは日本とクロアチアの“死闘”をどう報じたのか…「延長戦の経験の差」「PKの練習をしていなかったよう」「侍ではなく催眠術療法士」…モドリッチ「難しい試合だった」の声も
FIFAワールドカップ・カタール大会の決勝トーナメント1回戦が5日行われ、日本代表はクロアチア代表と1-1のまま延長戦に突入したが、PK戦の末、敗れベスト16で敗退となった。日本は前半43分にショートコーナーからの仕掛けで前田大然が先制ゴールを奪ったが、後半10分に同点に追いつかれ、延長戦でも両チームはスコアレスで決着がつかず勝負はPK戦へ。南野拓実、三笘薫、吉田麻也の3人がGKドミニク・リバコビッチの好セーブに止められ1-3で敗れた。海外メディアもクロアチア対日本の“死闘”に注目して大々的に報じた。
ブラシッチ「日本人を称賛する必要がある」
世界を驚かせた日本旋風もベスト16の壁に阻まれた。今大会2ゴールのヒーロー堂安を先発で使い、攻撃的な3バックで前半からプレスを強め、前半43分に先制したが、後半10分に同点に追いつかれ、三笘、浅野の切り札を投入したが、勝ち越し点は奪えなかった。1-1のまま延長戦へ突入したが、120分の戦いで決着はつかずに勝負はPK戦へ。南野、三笘が続けてクロアチアのGKリバコビッチにセーブされた。3人目の浅野は決め、クロアチアの3人目は外したが、4人目の吉田もゴール左の枠内にシュートを放つもリバコビッチに止められ1-3で惜しくも敗れた。
歓喜のクロアチアの地元スポーツ紙「Sportske novosti」は数多くの記事をアップ。「クロアチアは真の戦士でビックゲームを成し遂げた。いや奇跡のように見えるが奇跡を起こす方法を知っていたのだ」との見出しを取り「クロアチアは彼らが戦士であることを再び示した。日本のサムライは精神的な準備と強さにおいて私たちと同等ではなかった。日本のエネルギーが優れていた難しい戦いで、私たちはロシア大会の2つのPK戦勝利に続いて3度目のPK戦勝利を続けた。幸運だったと多くの人が言うかもしれないが、PK戦に到達するために日本から守りきったのだ。GKのリバコビッチは、私たちの魂を興奮させ、陶酔感に包んだ」と伝えた。
また試合後の選手の声も紹介。1本目のPKを決めたブラシッチは「PKの練習をしてきた。今日、日本がまぐれでドイツとスペインに勝ったのではないことが明らかになったが、私たちは彼らの長所と短所も知っていて成功した。本当に嬉しい。だが、本当に日本人を称賛する必要がある」と語り、殊勲のGKのリバコビッチは、こうコメントしている。
「日本は最初からプレッシャーをかけてきた。彼らは非常に準備ができていた。しかし私たちもそうだ。我々は120分間、タフなプレーをして最も難しい試合に勝った。これ(PK3本ストップ)は、私のキャリアの中でも、お気に入りの瞬間のひとつになる」
そして後半に交代したチームの大黒柱、モドリッチのインタビューも別記事にして紹介されていた。
「ドラマがなければ生き残れなかった。非常に難しい試合だった。非常にいやらしく、走れて体力のある日本が、グループステージで(ドイツ、スペインを相手に)これらのすべてを行ったのは、まぐれではなかった。私たちは、自分たちのレベルでプレーしなかったけど準々決勝に進出したことは重要だ。だからこそとても嬉しいし、みんなを祝福したい。前半に2、3回あったチャンスで得点できていればもっと良い方向に進んでいただろうが、個性を発揮し、PK戦に持ち込むことができリバコビッチが奇跡を起こした」
前大会のMVP男は、不出来だったことを認めた上で日本に敬意を示し、ヒーローのGKに「脱帽」した。