スペインがPK戦でモロッコに敗れる“波乱”を地元メディアが猛烈批判…「PK戦の黒歴史が拡大」「エンリケ監督は続投すべきか?」の緊急アンケートまで
FIFAワールドカップ・カタール大会の決勝トーナメント1回戦のスペイン代表対モロッコ代表の試合が6日行われ、0-0のまま延長戦でも決着がつかず、PK戦の末、スペインが0-3で敗れる波乱があった。前日の日本代表対クロアチア代表のPK戦と同じくモロッコのGKボノ(30、セビージャ)が2本のPKを止めるスーパーセーブを見せ、チーム初のベスト8進出を導き、世界に衝撃を与えた。だが、一方の敗れたスペインの地元メディアは厳しい論調で母国のベスト16敗退を批判した。
PK戦で3連続の失敗
グループステージで日本に逆転負けしたショックを引きずっていたのか。優勝候補と目されていたスペインが日本と同じくラウンド16でモロッコにPK戦で敗れた。
ボール支配率は72%。パスの数はモロッコの320本を大きく上回り1000本を超えて、決定的なチャンスは作ったが、枠内に飛んだシュートは1本でゴールネットを揺らすことができない。しかも、守備を固めていたモロッコのカウンター攻撃に脅かされ、パリ・サンジェルマンでプレーしている右サイドのハキミの突破からクロスを上げられる危ないシーンもあった。120分の戦いは、スコアレスに終わり、PK戦に突入した。
先行のモロッコは、1人目で途中出場のサビリが決めたが、延長の後半にPKを見据えて投入されていたスペインの1人目、サラビアがポストの右に当て、2人目のソレール、3人目のキャプテンのブスケツが続けて、セビージャでプレーしてスペインを知り尽くしているボノの駆け引きにコントロールされてセーブされた。最後はモロッコの4人目、ハキミが落ち着いて中央に流し込み、モロッコが初のベスト8進出を決め、スペインの2大会連続のベスト16での敗退が決まった。
スペインのスポ―ツ紙「Marca」によると、試合後の会見でエンリケ監督は、「(PK戦で)私が最初の3人を選び、残りは選手が決めた。責任はすべて私にある。私たちは4人目にも到達しなかった。PK戦のボノは素晴らしいゴールキーパーで今日も素晴らしかった」と説明。
落ち込んだ様子はなく、「私は満足している。彼らは私のアイデアを完璧に実行してくれた」と、選手を称えたという。
一方のモロッコは、元日本代表監督であるハリル・ホジッチ氏が率いて予選を突破したが、主力選手との軋轢から、この8月に解任され、フランス生まれの元モロッコ代表でもあるレグラギ氏が監督に就任。グループステージではベルギーを破る金星を挙げていた。
海外メディアもモロッコの金星とスペイン敗退の衝撃を伝えた。
英BBCは「モロッコがスペインに衝撃を与え、ハキミが勝利のPKを決める」との見出しで「スペインは試合でパス1000本以上を記録し、123分の試合でほぼ勝利を手にしかけたが、サラビアのボレーは悲痛にもファーポストの側の外に弾かれた。エデュケーション・シティ・スタジアムは試合終了の笛に熱狂を見せ、彼らのチームが初めて8強に進んだモロッコファンで大半が埋め尽くされていた」と報道。