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インパクトゾーン比較( 出典:『The Science of Hitting』Ted Williams and John Underwood, 1970 P.47)
インパクトゾーン比較( 出典:『The Science of Hitting』Ted Williams and John Underwood, 1970 P.47)

意外な人気?!なぜオリックス吉田正尚のメジャー評価は高いのか…時代のトレンドにマッチしているインパクトゾーン

 これは、最後の4割打者として知られるテッド・ウィリアムズが1970年に出版した「The Science of Hitting」という本で紹介されている打撃理論に基づいている。表のイラストを参考にしてもらいたいが、レベルスイングでもなく、ダウンスイングでもなく、ややアッパー気味にスイングするほうが、コンタクトする確率が高まり、タイミングが早ければ打球は一塁側に(左打者の場合)、遅れても三塁側に打球が飛ぶ、というもの。
 当時は「彼独特の理論。彼にしかできない」などと言われたが、いまでは各打者がインパクトゾーンの長さ(向かって来るボールとバットのスイング軌道が一致している部分を横から計測した数値)を把握し、スイング軌道を意識する時代。ミゲル・カブレラ(タイガース)が12年に三冠王を獲ったときの長さは、類を見ないものだったとされる。

 吉田の詳細なデータは不明だが、いずれにしても、彼のスイングは「教えたところで、なかなか身につくものではない」(前出・代理人)という特長を持っており、その点でも時代のトレンドにマッチし、高評価につながっている。
では、どんなチームが彼に興味を示しているかだが、ヤンキース、ブルージェイズ、マリナーズなどが挙がっている。
  ヤンキースは、アーロン・ジャッジとの再契約が最優先だが、仮にそれに成功してもなお、左翼が空いている。アンドリュー・ベニンテンディとの再契約、メッツからFAになったブランドン・ニモ、パドレスからFAになったジュリクソン・プロファーらとの契約も選択肢だが、ヤンキースはリードオフマンも同時に探しており、「吉田は獲得リストの上位に入っているようだ」と前出のモロシ記者は話した。
ブルージェイズとマリナーズは先日、トレードを行った。
マリナーズはブルージェイズからテオスカー・ヘルナンデスを獲得。ヘルナンデスは昨年、143試合に出場し、打率.296、32本塁打、116打点、92得点、OPS.870。今年は131試合に出場し、打率.267、25本塁打、77打点、71得点、OPS.807。
これでブルージェイズは、外野枠が一つ空いた。もちろん、ジョージ・スプリンガー、ルルデス・グリエルJr.、ウィット・メリフィールドらがいるので数は足りているが、メリフィールドは二塁手でもあるので、吉田を獲得すれば、彼を二塁に戻すのだろう。
マリナーズは、今年の新人王となったフリオ・ロドリゲスとヘルナンデスで2枠が埋まった。左翼手のレギュラーはジェシー・ウィンカーだが、変わり者として有名で、マリナーズでは浮いた存在。よって、トレードされる可能性が高い。18年のドラフトでメッツから1位(全体6位)で指名され、18年12月にマリナーズにトレードされたジャレッド・ケレニックを起用する選択肢もあるが、過去2年、メジャーでは結果を残せておらず、計算しにくい。
マリナーズは昨季、6選手が1番を打ち、リードオフマンを固定できなかった。その点でも、吉田は魅力的な存在として映っているようだ。
ただ、マリナーズは2016年に青木を獲得した際、同じような期待をかけたものの、守備力が疑問視され、レギュラーを外された。ウィンカーも性格以前に守備がお粗末で、スコット・サービス監督の信頼を失った。吉田も守備に関しては評価が低く、マリナーズとしてはそこをどう判断するか。

 

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