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W杯カタール大会から帰国した森保監督と吉田キャプテンが記者会見
W杯カタール大会から帰国した森保監督と吉田キャプテンが記者会見

帰国会見で是非論が再燃…クロアチアに負けたPK戦で日本が採用した立候補制は本当に正しかったのか…森保監督「”たられば”はある」吉田は「間違っていたとは思わない」

 だが、その場での挙手による立候補制は世界的には珍しい戦術だ。
 元日本代表FWの城彰二氏は、ピッチの様子を見て、その場で決めているという慌てぶりを見抜き、「完全な準備不足。PKは選手によって得意、不得意がある。最終的にピッチに誰が残っているかを想定した上で、あらかじめ順番は決めておかねばならないと思う」という意見をクロアチア戦の直後に語り、準備不足の点を指摘していた。
 スペインは日本と同じくラウンド16でモロッコにPK戦で敗れた。3人が連続で失敗。1ゴールも決められないままの敗退だったが、バルセロナの監督としても功績を残しているルイス・エンリケ監督は、最初の3人までを監督が指名、残りの2人は選手に任せるというスタイルを採用していた。
 PK戦には、最終的にピッチに残っていた11人しか参加資格がないため、PK戦要員のサラビアを延長戦後半の終了間際に投入するという準備までしたが、そのサラビアが1番手で蹴り右のポスト当てて失敗していた。
 吉田が言うようにすべてが”結果論”。スペインのように準備してもうまくいかないものではある。だが、日本が、2010年の南アフリカ大会でも決勝トーナメントの1回戦でパラグアイにPK戦で敗れていることを考えると、ベスト16の壁を打ち破るためには、PK戦の戦術は、議論研究を重ね克服すべき検討課題だろう。
 南野が所属していたリバプールでは、PK戦でのキックの技術向上のための最先端のアプローチとトレーニング方法があるという。
 田嶋会長は、「その情報(リバプールの最先端の取り組み)は知らなかったが、どんな最先端技術やいろんな情報を取り入れても、あのPK戦でのプレッシャーがやわらぐかは想像できない。ただ最先端のトレーニング、科学的な情報をどう取り入れるかは、監督、技術委員会がしっかりとやっていかねばいけない」と約束した。
 PK戦対策が、今後の課題になることは確かだが、今回に関しては、森保監督は、胸を張って、こう熱い思いを語った。
「蹴ってくれた選手に関しては、本当に勇気のある決断をしてくれたと思っている。口から心臓が飛び出るくらいの緊張とプレッシャーの中、選手たちが勇気をもって自分がチームを勝たせる、日本に勝利をもたらせると、日本のために戦ってくれたその勇気をまずは称えたい。PK戦を見た方々が、日常生活に反映させていただき、失敗を恐れず、勇気をもってチャレンジすることが大切なんだとうことを感じてもらえるとうれしい」
 その勇気のあるチャレンジがドイツとスペインのW杯優勝経験国を倒して日本中を感動に包んだことに疑いはない。
(文責・RONSPO編集部)

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