海外紙情報続々…堂安ローマ、三笘リバプール、鎌田トッテナム?!…W杯で欧州移籍市場価値が急上昇した”日本代表3人衆”のビッグクラブ移籍の可能性は?
日常からいかにハイレベルで、かつ厳しい環境に身を置いているかが伝わってくるコメントだといっていい。こうした経験を持つ選手が冨安一人ではまったく足りないと痛感したからこそ、ごく近い日本の未来へ向けて、鎌田はクロアチア戦後にこんな言葉を残している。
「日本がもっと強豪国になっていくためには、やはりビッグクラブでプレーする選手が数人は必要だと思う。ビッグクラブでプレーしている選手は余裕が違うというか、ピッチの上に立っているだけで空気感が違う。絶対的な自信を漂わせているというか、言葉ではなかなか言い表せないようなものも感じさせる。なので、自分はそういう選手になれるように頑張っていきたい」
ビッグクラブの一員になり、冨安のようにハイレベルなパフォーマンスを代表へ還元してきたいと鎌田は自身のキャリアを思い描いている。その一方で、来年1月の移籍市場における移籍を、W杯が開幕する前の段階で封印していた。鎌田が明かした理由は単純明快なものだった。
「普通に考えれば、冬に移籍をする必要性やメリットが自分にはない。チャンピオンズリーグもベスト16に残っているので、何か変なことがない限り、フランクフルトに残ります」
夏場の移籍と異なり、ヨーロッパのシーズンの真っ只中となる冬の移籍は、新天地へ順応する時間をほとんど取れない点で大きなリスクを伴う。選手層の厚いビッグクラブが新天地ならばなおさらで、一部の海外メディアの報道によれば鎌田は契約が満了する来夏のフリー移籍を検討。新天地の候補としてボルシア・ドルトムントや、プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーがあがっている。
ともに今シーズンから堂安はフライブルクで、三笘は期限付き移籍先から復帰したブライトンでプレーしている。フライブルクは2位でW杯による中断期間を迎え、ブライトンではイタリア人のロベルト・デ・ゼルビ監督が就任した9月中旬以降に、三笘の先発機会が急増している。
ましてや堂安は過去にPSVで「自分らしさを失った」として、PSVでの2年目が幕を開ける2020年9月に、ブンデスリーガ1部の昇格組だったアルミニア・ビーレフェルトへ期限付き移籍。いま現在の心技体の充実ぶりにつなげた成功体験がある。
いずれの報道も各クラブの地元メディア発のものが多く、現時点では正確性に欠けるものも多いかもしれない。実際にオファーを受け、それが魅力的なビッグクラブからのものだった場合にどのような決断を下すのか。今シーズンの充実ぶりを優先したとしても、継続して移籍市場でマークされる存在にはなるだろう。それが4年に一度開催される、W杯だけが持つ相乗効果となる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)