「なぜPK戦で蹴らなかったのか?」衝撃敗戦したブラジルのネイマールに批判の声が殺到…代表引退問題には「正直わからない」
アシスタントスポーツエディターのマルシウス・アゼベド氏は、「クロアチア戦の敗退はチッチ監督が2018年のロシア大会から何の教訓も受けていないことを証明した。PK戦のときネイマールはどこにいたのか?最高のストライカーであるプレイメーカーはチームメイトのために祈っている画像にのみに登場していた」とネイマールがPKを蹴らなかったことを批判。
同じくアシスタントスポーツエディターのアルミール・レイテ氏も「ネイマールは、ブラジル代表チームの最高のペナルティキッカーなのに、なぜクロアチアとのPK戦で蹴らなかったのか」と訴えた。
クロアチアのスポーツ紙「Sportske novosti」によると、公式会見でネイマールが、4人目までにPK戦に参加しなかったことについて質問されたクロアチアのスラトコ・ダリッチ監督は、「それを決めるのは彼ら(ブラジルの監督や選手)の仕事です。ただもっと早く使っていたらよかったのに…(とは思う)」との意見を発した。相手監督に同情されるほどだったのだ。
日本代表のように立候補制なのか、チッチ監督が順番を指名していたのかは不明だが、エースが、PK戦を蹴らないままの敗北は、ブラジルサポーターでなくとも納得がいかないのだろう。
そして試合後のもうひとつの焦点がネイマールの代表引退問題だ。前出の「オ・エスタード・デ・サンパウロ」は「ブラジル代表チームでのネイマールの将来はどうなるのか?彼の最後のW杯でのプレーになったかも」との見出しを取って別記事をアップした。
ネイマールは今大会前にDAZNのインタビューに答え、「これが最後のW杯だと思っている。なぜならもっとサッカーを続けられるかどうかはわからないからだ」と語った。同紙は「曖昧な声明を出して深く掘り下げることはなかった」としながらも、そのコメントを重要視した。
2026年に米国、カナダ、メキシコで開催される次のW杯でネイマールは34歳。ダニエル・アウベスと、チアゴ・シウバは、それぞれ39歳と38歳で代表に選ばれ、アルゼンチンのリオネル・メッシは、35歳で5度目のW杯出場を果たし、ポルトガルのクリスティアーノロナウドは37歳で今大会に出場していることを伝え、年齢的には十分に可能性があることを示唆した。
だが、昨年、ネイマールが「メンタルヘルスがブラジルを代表するためのより多くのプレッシャーに耐えれるかどうかわからない。カタールでのW杯が最後になる」とコメントしたことがあるとも紹介した。
ネイマールは、この日の試合後に、その代表の去就問題について質問され、「ブラジル代表に復帰することを100%は保証できない。自分と代表チームにとって何が良いのかをもう少し分析し考えなければならない」と語り、代表引退を示唆したという。ただ「正直なところ(どうするか)わからない。(感情が)熱くなっている今、そのことを話すのはよくない。もしかしたら、私は素直に考えていないのかもしれない」とも付け加え、まさかの敗退に動揺している心境を明かしたという。
チッチ監督は、「痛い敗戦だが、責任は自分にあり、選手の責任を追及するようなことはしないでくれ」と訴え、今大会を最後に退任する意向を示唆している。ベスト8で敗退となったブラジルの混乱は続きそうだ。