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KOで4団体統一を成し遂げた井上尚弥は、途中、防御一辺倒のバトラーをノーガードで挑発した(写真・山口裕朗)
KOで4団体統一を成し遂げた井上尚弥は、途中、防御一辺倒のバトラーをノーガードで挑発した(写真・山口裕朗)

海外メディアは井上尚弥の4団体統一を絶賛しバトラーを批判「年間最優秀選手候補」「Sバンタム級でもベルト統一可能」「生き延びようとしただけ」

 一方でバトラーの地元である英メディアもこの試合を大きく取り扱い、英イブニングスタンダード紙は「井上がボクシングの4団体時代で初めてバンタム級の統一世界王者として歴史を刻んだ」と伝えた。
 記事は、「大劣勢とされたバトラーは、ほとんどの人々が予想していたように序盤は破壊的な戦いを余儀なくされた。犠牲者として倒れることはなく代わりに多くのパンチを受けることになった。そして圧倒的優位な井上を苛立たせてトレードマークである獰猛なフィニッシュブローから身を防ぐために作り上げられた守備戦術を展開した」と、守備一辺倒の戦いを強いられたバトラーの苦戦を紹介。
「同じような展開が続き、全ての場面で完璧に井上が試合を支配し、あらゆる手を尽くし、スタンスを変えながら、2019年以来(ノニト・ドネア戦)、キャリア3度目となるフルラウンドに行かないようバトラーにすべてをぶつけ、素晴らしいスピードと多彩さ、フットワークを披露した」などと井上の戦いぶりについて触れた。
 そして今後については、「最高の夜に歴史を作り上げた後、井上は即座に2023年にスーパーバンタム級へ襲撃すべく階級を上げる願望を示した」と紹介した。
 英BBCは、「“モンスター”が、この50年で初のバンタム級統一王者となる」との見出しを取り快挙を伝えた。
 記事は「井上が歴史的勝利へと進む」とし、「バトラーはWBO王者に格上げされたわずか7カ月後に井上の地元日本で戦うことに合意して喝采を受けていた。この英国人はサバイバーのアイ・オブ・ザ・タイガーの入場曲でリングインしたが、彼からの“噛みつき“はほとんどなかった」と消極的な戦い方を批判。
「バトラーは、トレーナーのジョー・ギャラガー氏、元世界王者のスコット・クイッグ氏を含めたセコンドからの指示を頻繁に受けていた。それでも“モンスター”のニックネームを持つ井上はバトラーを倒そうとリズムを保った。彼は、時折、速さのあるコンビネーションを決めていたが、バトラーの高いガードを打ち破るために、さらなる取り組みが必要だった。井上は、効果的なボディショットも決めていたが、試合が進むにつれて目に見えて苛立ち始めた。バトラーのコーナーからは『自信をもう少し持て』との声が飛んだが、バトラーはそれに応えることができなかった」と試合展開を紹介した。
 また英サン紙は「日本のパウンド・フォー・パウンドのスーパースター、井上がバンタム級王座を統一し、勇敢な英国選手バトラーを11回KOで粉砕する」との見出しを取り、11ラウンドまで耐えたバトラーを評価した。
「バトラーとギャラガー氏は序盤にリスクを取らずに井上を慣れない終盤のラウンドへと引き込む作戦を持っていた。バトラーのガードは、井上のパンチを受け止めるのに十分高く固いものだった。そして日本の象徴(の井上)の猛烈なボディショットでさえ、英国選手に激しすぎる痛みをもたらさなかった」と、バトラー陣営の作戦がKOラウンドまでは通用したことを紹介した。
 井上が、リング上でスーパーバンタム級への転級を宣言した“今後”“についても米メディアは、別記事仕立てで報じている。

 

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