海外メディアは井上尚弥の4団体統一を絶賛しバトラーを批判「年間最優秀選手候補」「Sバンタム級でもベルト統一可能」「生き延びようとしただけ」
この試合を放映した米ESPNは「バンタム級統一王者となった井上はスーパーバンタム級でもリアルファイトを見つけ出せるだろうか」との見出しを取り、今度の展望記事を掲載。
「目標を達成した井上は次にスーパーバンタム級へ向かうだろう。ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)のように、井上(24勝0敗、21KO)は強すぎるため、さらに大きな選手たちと対戦して(その実力を)試される必要がある」とした。
その上でスーパーバンタム級での井上の対戦相手候補としてWBC、WBO同級王者のスティーブン・フルトン(米国)を推した。
「幸運なことにスーパーバンタム級には私が世界ベスト100のトップ20にランクインさせたフルトンとムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)という2人の統一王者がいる(井上もこのリストのトップにいる)。特にフルトンが井上にとって魅力的な挑戦に映る。フィラデルフィア出身の28歳(のフルトン)は、試合でしばしば1000発のパンチを放つが、一歩下がってのボクシングもできる。井上と戦う相手としてはフルトンが浮かび上がってくる」
ただ、現実的な路線としては「WBCはフルトンと(元2団体統一王者)ブランドン・フィゲロア(米国)のフェザー級での再戦を命じており、フルトンはフェザー級での戦いに向かう可能性がある。もしフルトンが階級を上げれば、WBCとWBOのタイトルは空き、井上は空位となった2つのベルトの1つへ向かって戦うかもしれない」と予測。
さらに「もしフルトンがいなければ、井上にとって最も進展しそうな試合はIBFとWBA王座を保持するアフマダリエフとなるだろう」としつつ、「28歳のサウスポーは基本に忠実でパワーも備えているが、井上のような相手とはかつて一度も対戦がない。もちろん、誰もそのような経験はないのだが」とも続けた。
またスーパーバンタム級での対戦候補にWBC同級1位ルイス・ネリ(メキシコ)、同級2位のアザト・ホバニシャン(アルメニア)、WBO同級1位のライース・アリーム(米国)の名前を加え、「もし井上が称賛されるパワーをまた新たな階級に持ち込めば、私が彼を信じる通りスーパーバンタム級も一掃するに違いない。そこで止まるはずはない。井上はフェザー級のタイトルも勝ち取る可能性があるだろう」とまで評価した。
「彼の戦いに深刻な欠陥を見つけ出すのは難しい。自慢の生き生きとしたパワージャブ、様々な角度とスピードからパンチの矢を放ち、もしかしたらボクシング界で最高のコンビネーションを誇るパンチャーかもしれない。井上はスーパーバンタム級で(モチベーションを)見つけ出せるかもしれない相手、リングを共有できるだけの価値のある相手を必要としている」と締めくくった。海外メディアは井上の今後の動向にも注目していくだろう。