鈴鹿が三浦監督のパワハラ問題に関するJFL調査を認めるもサポーターへの説明はなし…「処分があれば真摯に受け止める」
日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズが21日、一部選手とスタッフが三浦泰年監督(57)から受けたパワーハラスメント行為を告発したと報じられた問題についてJFLの調査に全面協力する方針を明らかにした。アンケート形式の文書がチーム側に送られるなど、JFLがすでに事実確認へ向けて動いていると認めた鈴鹿は「何らかの処分がある場合は真摯に受け止める意向です」と、三浦監督の出場資格停止処分などが下された場合には、その裁定を受け入れる考えだという。
一部選手とスタッフが暴言などのパワハラ行為を告発
監督に加えてチーム編成を司るGM、さらに運営会社の代表取締役も務める三浦氏に対する内部告発。前代未聞の事態に揺れる鈴鹿が、今後への対応を明らかにした。
三浦氏が過去に暴言などのパワハラ行為を行ったとして、一部選手とスタッフが内部告発したと未明から午前中にかけて一斉に報じられた21日。公式ホームページ上におけるファン・サポーターへの事情説明など、鈴鹿側に表立った動きは見られなかった。
そのなかで筆者は、事実確認を含めて鈴鹿側に質問事項を送付した。そのひとつである「三浦監督およびクラブとしての今後の対応」に対して、次のような回答があった。
「調査に協力し、何らかの処分がある場合は真摯に受け止める意向です」
実際に鈴鹿側に対して処分が下される場合、具体的にはどのような形が考えられるのか。その前に内部告発へ至った経緯を含めて、今回の流れをまず整理したい。
三浦監督のパワハラ行為が報じられたのは、実は今回が初めてではない。11月中旬にはクラブ内の調査の一環で、怒って物に当たる、ミスを犯した選手を厳しく叱責するといった三浦監督の言動が、パワハラ行為として認定されたと一部メディアで報じられた。
将来のJリーグ加盟を目指す鈴鹿は昨年2月、J3昇格への必須条件となるJリーグ百年構想クラブとして認定された。しかし、過去の八百長未遂行為発覚を受けて今年2月に解除条件付き資格停止されたJリーグ百年構想クラブ資格は、同6月のJリーグ理事会で正式に剥奪されている。
再申請を目指していた鈴鹿は、夏すぎから選手とスタッフへのヒアリング調査を実施。その過程で三浦監督の言動がパワハラ行為にあたるという訴えがあり、鈴鹿の顧問弁護士が調査を開始。11月13日付で、パワハラ行為を認定する調査報告書が作成された。
しかし、調査報告書はあくまでもクラブ内調査をもとにしたものだった。さらに「選手やスタッフの人格を否定するような発言はなかった」と暴力性が否定され、結論として「悪質性は低い」とまとめられた。実際に訴えを起こした側は、一連の内容に不満を抱いていた。
加えて最終的な判断を委ねる存在として位置づけられた、外部の第三者委員会による調査も進んでいない。こうした状況下で今月上旬になって、日本サッカー協会(JFA)が設置している「暴力等根絶相談窓口」に、調査報告書と同じ内容の情報が寄せられた。
チーム内からの内部告発となる通報を受けて、鈴鹿が所属するJFLの規律委員会も具体的な動きを起こした。事実確認を含めたアンケート形式の文書を15日付で鈴鹿側に送付。筆者の質問に対して、鈴鹿側も選手およびスタッフへの調査を「実施しております」と認めた。
文書への回答期限は来年1月6日。鈴鹿側から届いた内容をもとにJFLの規律委員会はさらに調査を進めていく。パワハラ行為が事実と認定され、さらに悪質と判断されれば、上部団体であるJFAから三浦監督の出場資格停止などの処分が下される可能性がある。