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J3のSC相模原の監督に就任した戸田和幸氏。契約年数の3年で今季最下位のチームをどこまで強化できるのか
J3のSC相模原の監督に就任した戸田和幸氏。契約年数の3年で今季最下位のチームをどこまで強化できるのか

頭脳派の“元W杯戦士”戸田和幸新監督はJ3相模原をどこまで強くできるのか…異例の3年契約公表の理由とは?

 J3のSC相模原は22日、横浜市内で元日本代表MFの戸田和幸氏(44)の監督就任会見を行った。公表された契約期間は3年。2002年のW杯日韓共催大会で活躍、海外クラブでの経験を積み、引退後は戦術分析を得意とする解説者として評価の高かった戸田氏は、果たして、その“サッカー頭脳”でチームを上のステージへ導くことができるのか。24人中で18人が新加入となる平均年齢23.5歳のフレッシュな陣容を率いて初めてJリーグでの監督業をスタートさせる。

「新しく野心的なプロジェクトに監督でかかわれるチャンスを逃すわけにはいかない」

 

 髪を赤く染めたボランチとして、トルシエジャパンがベスト16へ進出した2002年の日韓共催W杯で活躍。引退後は徹底した情報収集に基づいた戦術分析を展開する解説者として人気を博すなど、サッカーファンが注目する戸田氏の新たな一歩は異例の形で幕を開けた。
 サッカー界では契約年数などの詳細は、原則としてほとんど明らかにされない。ただ、相模原の場合は新卒を含めた来シーズンの新加入選手に関して契約年数をすでに明示していた。その流れで戸田新監督の契約年数が、質疑応答の冒頭で問われた直後だった。
 来年2月に代表取締役社長に就任する、相模原の西谷義久取締役COO兼スポーツダイレクターは、戸田新監督を含めたコーチングスタッフの契約年数が3年間だと明らかにした。
「いまの日本のサッカー指導者との契約年数において、決して短いものではないと理解しています。これから成長しながら高みを目指していくプロジェクトなので、短期的な成果だけを求めるのではなくて、チームとして、そしてクラブとして着実に成長していくための時間と考えています」
 具体的な年数の公表だけでなく、期間そのものも異例といっていい戸田新監督との契約に、西谷次期社長はこう言及した。ひな壇の隣で説明を聞いていた新指揮官も「3年あるからゆっくりいこう、などとは別に考えていません」と決意を新たにしている。
「就任した瞬間からクラブを去る時期に向かって仕事をする、というのが監督業だとよくわかっている。なので、自分が関わらせていただく間にいかに何かを残せるか。クラブが求めている方向性に対して、よりいいものを作っていくことを心のなかに持っていきたい」
 来年2月1日付で相模原の運営会社の株式74.2%をDeNAが追加取得。トータルで93.2%の株式を保有するDeNAが相模原を連結子会社化し、Jリーグへ本格参入するプロジェクトの象徴として白羽の矢を立てられたのが、ファンの間で抜群の知名度を誇る戸田氏だった。
 隣接する東京都町田市で生まれ、相模原市への転居後にサッカーを開始。代表として自国開催のW杯で活躍する存在になった戸田氏は、会見中で何度も「運と縁」という言葉を使った。
「野心と向上心を持って突き進み、みんなで新しいものを作り出しながら成長・発展し続ける。横に座っておられる西谷さんが僕に関心を持っていただいた運が始まりで、そこから付き合いという縁があったなかで、この新しい野心的なプロジェクトに監督という立場で関われるチャンスを逃すわけにはいかない。このクラブの力になりたい、と思わせてくれたオファーでした」

 

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