“守護神”権田修一が明かすW杯秘話…なぜ日本はドイツとスペインに勝てたのか…森保監督の“厳しさ”とピッチ上での密なコミュニケーション
成田市内のホテルで7日に行われた帰国会見。急きょ登壇したキャプテンのDF吉田麻也(34、シャルケ)が、コスタリカに0-1で苦杯をなめた第2戦のハーフタイムのロッカールームで、森保監督がぶち切れたと明かした件がちょっとした驚きを与えた。
一見して温厚に映る指揮官はなぜ激高したのか。そのときの口調などには言及しなかったものの、権田は「内容的にはシンプルなものだった」とこう明かしている。
「コスタリカの方が戦っているよね、と。僕も後ろから見ていて感じたのは、コスタリカ戦の前半は僕たちがボールを持てたこともあって、本質的な球際の部分で少し緩くなっていた部分があって、フィフティーなところで相手ボールになるケースがけっこう多かったので」
権田によれば、チームとしてやらなければいけないプレーが疎かになってしまう状況を、森保監督は特に咎めるという。その延長線上でピッチの外に目を向ければ、チームの全体ミーティングなどへの遅刻に関しては厳禁となっている。権田が続ける。
「チームにおける当たり前のこと、という意味で監督は遅刻に対して厳しいです。どうした、と聞いてから、みんなの前で(遅刻した)理由を説明させますから」
これを聞いた佐藤氏は、監督とエースストライカーの関係でJ1を3度制したサンフレッチェ広島時代を思い出しながら、思わず「昔から厳しいです」と同意している。
後半開始早々に同点、逆転の連続ゴールがさく裂。特に後者のアシストが“三笘の1.88mm”として世界的なスポットライトを浴びたスペインとの最終戦で忘れてはいけないのは、残り40分以上もあった後半の攻防でスペインを零封した日本の守備となる。
特に名手ジョルディ・アルバ(33、バルセロナ)が左サイドバックとして投入された後半途中からスペインの圧力が増した。権田によれば、対峙する日本の右サイドでDF板倉滉(25、ボルシアMG)と右ウイングバックとして緊急投入された冨安健洋(24、アーセナル)、そして同点弾を決めたMF堂安律(24、フライブルク)が「しゃべりっぱなしだった」という。
「あの3人がずっとコミュニケーションを取っていたんですね。本当に『ああだ、こうだ』とずっとしゃべっていたおかげで、本当に穴がなかった。相手にボールを持たれて、ずっと攻められていた状況でしたけど、守っていて何か心地いいというか、こっちとしては『これは基本的にやられないな』という感覚があった。やられる気がしなかったんですね」