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アマ13冠の堤駿斗が大晦日にプロ2戦目のリングに立つ
アマ13冠の堤駿斗が大晦日にプロ2戦目のリングに立つ

アマ13冠“ネクスト・モンスター候補”の堤駿斗が大晦日のプロ2戦目に目論む衝撃のボクシングとは?

 11月初旬から1か月間、米国ラスベガスに渡り、井岡と共にイスマエル・サラス・トレーナの指導を受けた。今回が2度目の渡米だが、サラス・トレーナーの本格指導を受けたのは初めて。国内では強すぎてスパー相手にさえ事欠くが、堤が金メダルを獲得した世界ジュニアの銀メダリストなど、骨のある相手に現地で計60ラウンドのスパーリングを消化。サラス・トレーナーだけでなく井岡にも的確なアドバイスを受けたという。
 父の直樹さんは、「いかに攻防に変化をつけるか。そして攻撃に行く際にパンチをもらわずに、どう打ち込むかというテクニックを学んだ。プロで必要なものを吸収して成長しました」と証言。堤自身も「サラスさん、一翔さんが、その都度、アドバイスをくれた。やるたびに感覚がよくなった」と手応えを感じている。

 7月のデビュー戦では両拳を痛めてペースダウンした。父の直樹さんによると、老獪なフィリピン人は「微妙に頭の位置をずらして、おでこなどの固いところでパンチを受けるようにしてきた」という。これもアマにはないプロの技術。そして8オンスの薄いグローブの影響もあった。特に左拳のダメージが大きく「骨が傷ついていた」らしく約1か月の安静を余儀なくされた。拳の怪我はハードパンチャーの宿命とも言える。バンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(29、大橋)も拳の骨折、手術で1年のブランクを作ったこともあった。
 だが、今回は、拳の怪我防止策を万全に整える。まずグローブを拳部分が薄いメキシコ製「レイジェス」から、その部分が分厚い日本製「ウイニング」に変更。また怪我防止に最重要のバンテージはサラス・トレーナーに巻いてもらうという。堤のKOパンチが炸裂する環境も整った。
 来年に描く青写真がある。
 プロテストはB級だったが、アマ実績から特例のA級デビューを認められ今回も8回戦。この試合に勝てば日本ランキング、東洋ランキングで上位に入ることは確実で、堤は「来年には何かしらタイトルを狙いたい」という。
 フェザー級を主戦にしていく方向だが、現在、OPBF東洋太平洋同級王者は、元ロンドン五輪銅メダリストで13日の井上の4団体統一戦のアンダーカードで復帰戦を飾った清水聡(36、大橋)で、WBOアジアパシフィック同級王者&日本同級王者は阿部麗也(29、KG大和)。
 陣営は「もしやってくれるのならば、すぐにでもお願いしたい」というが、清水は世界戦へ照準を絞っており、現実性のあるターゲットは“2冠”の阿部になるのだろう。堤はすでにアマ時代に阿部とスパー経験があり、内容的には圧倒していたという。
 この日は、クリスマス。試合後の自らへのプレゼントとして、大好きなケーキや肉などを注文した。1週間遅れのクリスマスケーキは、果たしてどんな味になるのだろうか。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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