【独占激白】“熱男”松田宣浩は巨人で何をしたいのか…「伸びるか。引退が早まるか。ここが最後の場所」の悲壮決意と“新主将”岡本和真へのメッセージ
巨人へ入団した元ソフトバンクの松田宣浩(39)が、RONSPOの独占取材に激白した第二弾。プロ17年のベテラン松田は、いったい巨人に何をもたらそうと考えているのか。伝統チームを野球人生の終着点にすることを明かした「熱男」の悲壮な覚悟とは?
原監督「中島、松田、長野の3人の経験を若手に伝えて」
巨人には松田と親交のあるメンバーが少なくない。
WBC、プレミア12に出場した侍ジャパンのメンバーとして共に戦った阿部慎之助ヘッド、亀井善行外野守備兼走塁コーチ、坂本隼人、長野久義、丸佳浩、中田翔、小林誠司、菅野智之らがいて、亜大の後輩は、平内龍太と北村拓己の2人。岐阜・中京高の後輩として吉川尚輝がいる。
「知り合いが多いので飛び込みやすいと思う」
2019、2020年の日本シリーズでは2年連続で巨人を4タテした。
ソフトバンクの視点から巨人の弱さを肌感覚で知った。その松田が巨人に持ち込めるプラス材料は何なのか。
「経験だと思う。優勝、日本一の経験をたくさんさせてもらっている部分。コーチではない。教えることはない。やってきたものを表現できればいい」
原監督からは「経験を若い選手に伝えて欲しい」と言われた。
松田が気になるのは来季のキャプテンに指名された岡本和真だ。今季は途中から4番の座を中田翔に譲った。5年連続で30本をクリアしたが、打率.252、82打点の数字は物足りない。
「岡本は、すでにブレイクしている選手。30本以上を5年連続で打っているんでしょう?では、その5年間で、何回、日本一になれたか。そこだと思う。自分の成績が出たら視野をチームの勝利のためへ向けていけばいい。僕も2011年に初めてフル出場してムネ(川崎宗則)がメジャーにいってからの2012、2013年は、自分のことで精一杯だった。2014年の最終戦でヒットを打った年からはチームのことを考えプレーできた。岡本は、もうそういう選手だと思う」
松田の指摘通り、2014年のドラフト1位入団の岡本は、史上最年少で「3割、30本、100打点」をクリアするなどの実績を残し、2度のリーグ優勝を経験しているが、まだ日本一を手にしたことは一度もない。
松田が全試合にフルイニング出場したのはリーグ連覇を果たした2011年が最初。そこからチームの主軸となり、2014年から選手会長を務め、勝った方が優勝というオリックスとのレギュラーシーズンの最終戦で、1対1で迎えた延長10回裏一死満塁から左中間へサヨナラ安打を打ってリーグ優勝を決めている。松田がリーダーを自覚するのに9年かかった。
岡本は、来季がちょうど、その9年目。
原監督からは、こうも依頼された。
「中島、長野、松田の3人でそれを表現してくれ」
中島宏之は41歳、松田が40歳、長野が38歳のアラフォートリオである。
「全員がベンチに入れるわけじゃない。3人での勝負になる」
慣れ合うつもりはない。
中島とは一塁を争うし、柳田悠岐にプレゼントされた外野用グローブで外野にも挑戦するつもりで、そこでは広島から復帰してきた長野がライバルとなり、そもそも3人共に右打者のため、右の代打のポジションを巡って3人で競争をする気だ。その姿が若手へ影響を与えるのではないか。
オファーをもらった際に原監督には「ムードメーカーじゃない。戦力として考えている」との言葉をもらった。
だが、巨人のベンチにはムードメーカーが不在だ。