【独占激白】“熱男”松田宣浩は巨人で何をしたいのか…「伸びるか。引退が早まるか。ここが最後の場所」の悲壮決意と“新主将”岡本和真へのメッセージ

　キャプテンだった坂本勇人は、どちらかというとクールにプレーで示すタイプで、今季は週刊誌に報道された、球場外の騒動もあり、リーダーとして前面に出て旗をふることはできなかった。丸も性格はクール。中田にはまだ移籍の遠慮があり、ベテランの中島もムードメーカータイプではない。勝っているときは、ムードなど自然にできるが、問題は負けているとき。やはりベンチが沈んでいては、負けを引きずるし、負の連鎖もおきかねない。空気作りは大事で、その点で、松田、そして長野への期待がある。
「ムードメーカーとしての役割は大事だと思う。プロ野球は打って、守って、走って数字を残せば、認めてもらえる世界。だが、勝つか、負けるかにつながるプラスアルファを求めるのであれば、そこの部分も必要だと感じている。元気を出す。そのスタイルで17年間やってきた。ジャイアンツに入っても、よそゆきの野球はしない。ユニホームを着て、スイッチが入れば、どんどんいったろうかなと思っている」
　松田はキャンプインを前にひとつ決めていることがある。
「先頭で走る、これだけは決まっています。どこにいっても」
　宮崎キャンプ初日からアップで先頭を声を出して走る。
　
　通算1000打点まで残り「9」のカウントダウンに入っている。
「目の前の目標は、そこだけど1年契約。来年の、この時期にはどうなっているかわからない。さらに1年、2年、3年、4年とプレーさせてもらえるかもしれないし、こればかりはわからない。ただ誰もがホークスで終わると思っていた中で、巨人さんに拾ってもらった。ここ巨人がプロ野球の最後の場所。プロ野球の集大成がスタートした。どれだけ伸びるか、逆に引退が早まるか。悔いなくやるだけ。ただ野球が好きで、体が元気だというのがポイント。これがある限り勝負したい」
　東京では単身赴任となる。自主トレは宮崎でスタート。そのあと母校の亜大の合宿所でバットを振り、宮崎でのキャンプインに備える。
「不安は何もない。単身赴任も含めて、全部が初めてのことで、ワクワク、ドキドキしかない。1日、1日が新鮮で自分に合っている。安定の野球人生では、どこかでマンネリとなり、成長って止まる。やってやろうという志がどこかで下がってくるもの。福岡で17年。僕くらいの年齢になるとなおさらそう。確かに安定を捨てるということは、しんどいことではあるし、エネルギーがいる。でもまだ高みにいくステージがあったんだと思えば、うれしくなる」
　東京ドームの前での写真撮影。
　注目したわけでもないのに松田は自ら熱男ポーズを取った。
「もうスイッチ入ってますよ」

（文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社）