今日ゴング!計量でパンツを脱いだ井岡一翔は日本人初の2階級2団体統一王者になれるのか…最大“強敵”WBC王者エストラーダの緊急来場も決定
井岡は、エストラーダの視線を意識しながら戦うことになるが、プレッシャーはない。
「今になってプレッシャーを背負うというより、試合に向けて日々自分と戦って、いい準備をしてきた。後は自分を信じて戦いたい」
では井岡は勝てるのか?
その検証の前に、ひとつ心配な点は、ジャッジ構成だ。
3人中、ファーリン・マーシュ氏(ニュージーランド)、スタンリー・クリストドーロー氏(南ア)の2人が、フランコがベルトを持つWBA側からの派遣ジャッジ。WBA側のジャッジには「手数優先」の傾向がある。しかもWBO側の1人は中米のプエルトリコから来たホセ・ロベルト・トーレス氏。レフェリーは採点に参加しないが、同じくプエルトリコの日本では珍しい女性のメルバ・サントス氏が務めることになった。
元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏も、「ルールではポイントを付ける基準は、クリーンヒットを優先させるべきだが、手数を取るジャッジもいる。井岡が対応するまでは、ペースの奪い合いになり、フランコは手数のボクサーなので、ジャッジの構成は重要なポイント」と指摘する。
ただ来日経験のないジャッジは一人もいない。
マーシュ氏は、7年ぶりの来日だが、過去に亀田興毅氏、内山高志氏らの試合を採点、クリストドーロ―氏は、3年前に村田諒太(帝拳)のWBA世界ミドル級王座奪還の試合を担当している。2人はWBAからの派遣とはいえ、WBA専属というわけではなく他団体の世界戦も担当しており、フランコに肩入れするわけではないだろう。トーレス氏も、田中恒成(畑中)、山中竜也(真正)の世界戦で来日経験がある。
井岡陣営のサラス・トレーナー、伝説の“カットマン”ジェイコブ“スティッチ”デュラン氏も「特に問題のあるジャッジはいない。公平に見てもらえるはず」との印象を受けており、陣営としてはジャッジ構成を不安視していない。
ブックメーカー「ウィリアムヒル」のオッズは、井岡勝利が1.57倍で、フランコ勝利が2.37となっていて、やや井岡が有利。
飯田氏も井岡有利の予想だ。
「井岡にとって決してやりやすい相手ではない。ジャブに右のカウンターを合わせて狙ってくるし、右をかぶせて左アッパー、左ジャブから右と、対角線に打ってくるのも嫌らしい。井岡も序盤はパンチをもらうシーンがあるかもしれない。ハイレベルな攻防になるが、ディフェンス、カウンターの技術、対応力は井岡が上。中盤から終盤に対応できる。フランコはパンチがないから倒されることはないし、判定で負ける姿も想像できない」