27人離脱のヤクルトに恵みの雨も続く非常事態…公平性に欠く再開に疑問
だが一方で高代氏は、わずか2試合を中止しただけで、主力がこれだけ欠けているのに試合を再開させた強行日程に「疑問が残る」と訴えた。
「全国でこれだけ新型コロナの感染者が増えてきて第7波の襲来となっているのだから、いくら予防を徹底していても防ぎきれないものがあると思う。27人もの選手が離脱したヤクルトが、たった2試合の中止で試合を再開することは競技として著しく公平性に欠く。ヤクルトサイドがOKしたのかもしれないが、もうやれるの?もうやるの?というのが正直な感想だ。せめて、この中日の3連戦は中止にすべきではなかったか」
今季のプロ野球で新型コロナによる大量離脱で試合が中止となったケースは5例ある。楽天は4月2、3日の2試合、オリックス側の感染拡大となった4月12日からの試合など計6試合を中止。横浜DeNAは、4月7日の阪神戦、8日からの中日3連戦と4試合が中止となった。試合のない日を入れて再開まで5日間を要した。ソフトバンクも6月28、29日のロッテ戦2試合、試合のない30日を挟んで7月1日の西武戦まで3試合が中止となった。再開まで4日間。だが、今回のヤクルトは、1、2軍合わせて27人もの離脱者が出ているのに、たった2試合の中止で3日間だけあけての再開である。
ヤクルトに2リーグ分裂後最速のマジックが点灯していることや、中止試合を増やすことで、クライマックスシリーズや日本シリーズの日程にしわ寄せがくることが影響したのだろうか。
その意味で1試合でも雨天中止となったことは幸運だったが、オールスターまでまだ残り11試合ある。厚生労働省の定めによれば「症状がない場合は、検体採取日から10日経過後(または採取日から6日経過後に24時間以上空けて2回PCRなどの検査を行いともに陰性が確認された場合)に療養解除」ということなので16日の横浜DeNA戦から一部の選手は復帰可能となるが、療養期間に体を動かしていないことなどを考えると、離脱組の復帰は、早くても18日からの巨人戦、或いは22日からの広島戦にズレ込むだろう。
投手の復帰の場合は、2軍での試運転なども必要で、球宴明けまで間に合わないと考えられる。貯金が26あり、2位の巨人とは12.5ゲーム差。球宴までの11試合のすべてに負けても首位陥落はないが、マジックが消滅し、尻に火がつく状態になりやしないだろうか。