4回戦ボーイ倒せず1000万円ゲット皇治と「負ける気しなかった」ヒロキング。勝敗がつかなかった異色エキシの本当の勝者は?
ただ“本物”のボクサーとスパーリング以外の公式リングで拳を交えたのは初めて。そこで、「ボクシングをなめていない」としながらも、まだ4回戦の技術しかないヒロキングを圧倒できなかったのだから厳しい評価を受けても文句は言えないだろう。
皇治は、試合後のインタビューでは、那須川天心と、武尊の2人と戦った経験を持つ歴戦のキックボクサーらしく、プロとして、この試合をこう総括した。
「バイトで4桁いただきました。キャリアが違いますからね。これまで50戦。どれだけ立ち技のキックボクサーに殴られてきたか。ヒロキングは可愛い赤子。バイトで殴られるわけにはいかない。一発も殴られていない」
彼の言う4桁が、1000万円なのか2000万円なのかわからないが、会場の入場口には、恒例の激励の花がズラリと並んでいた。その数は、そのままスポンサーの数とも言われており、関西で絶大なる人気を誇る皇治は、軽量級の世界戦なみの報酬を「遊び」と称した3ラウンドで得たのである。
リング上では、ボクシングへの本格転向を巡るやりとりがプロモーターの亀田興毅氏との間であり、インタビュールームでも改めて「ボクシングでプロデビューするかも。でもボクシングに来たらまたオレ一色になってしまう。でもジャンル関係なくみんなで盛り上がっていけたらと考えているのでボクシングの挑戦もありかな」と話した。
だが、この段階で4回戦からボクシングを始めても目標が見えず現実味はない話。無名の現役ボクサーと好勝負しても皇治にメリットはない。むしろあるとすれば、「早く倒されたい。兄貴とやりたい」と解説を務めた元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏との対戦を熱望したように、すでに引退して、ジムオーナー、トレーナーも含めJBCからライセンス交付を受けていない名のある元ボクサーとのエキシビションマッチだろう。
亀田氏も、今後はJBCが発表したルールの新解釈に従い、現役ボクサーを他の格闘家と絡めるようなエキシビションマッチは2度とやらない考えだが、JBCルールに触れない元ボクサー対格闘家などの仕掛けは考えているようで、ひょっとすれば、また皇治にオファーがかかるかもしれない。
だが、皇治のモードは、すでにRIZINの舞台に切り替わっているようで、無敗のボクシング界のスーパースターだったフロイド・メイウェザー(米)と朝倉未来が対戦する9月25日の「超RIZIN」「RIZIN.38」のラインナップに加わることを熱望。 「本番は9月。メイウェザーのぱっちもんとの試合」と謎の対戦カードを口にしていた。年末に向けてはボクシングに続く挑戦の第2弾となる総合格闘家デビューへと踏み出すようで「キック、ムエタイ、ボクシングときて残りはひとつ」とも語った。