4年後W杯で長友佑都”魂のブラボー”と吉田麻也のリーダーシップを継承するのは誰なのか…堂安律が「エ―スと共にリーダーにもならなくては」と立候補
FIFAワールドカップ・カタール大会の決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表にPK戦で敗れ、4度目の挑戦でも悲願のベスト8進出を逃した日本代表が一夜明けた6日、ドーハ市内の活動拠点で最後のメディア取材に応じた。キャプテンのDF吉田麻也(34、シャルケ)とフィールドプレーヤーで最年長のDF長友佑都(36、FC東京)は今後への具体的な言及を避けたが、常にチームファーストで行動するベテラン勢の背中を間近で見てきたMF堂安律(24、フライブルク)は「エースになるとともに、リーダーにもならなきゃいけない」と魂のバトンを受け継ぐ決意を新たにした。
「うるさいオッサンを受け入れ生かしてくれた後輩たちに感謝」
新チーム発足後で初めてとなる日本代表合宿を、札幌市内でスタートさせた2018年9月3日から数えて1556日目。当初から目標に掲げてきたカタールW杯のベスト8の一歩手前で無念の敗退を喫した森保ジャパンが、クロアチア戦から一夜明けた6日に解散した。
ドーハ市内の宿舎ホテルで思い思いの夜を過ごした26人の代表メンバーは、この日の午前に活動拠点のアル・サッド・ニュー・スポーツクラブに集結。体調不良でクロアチア戦を欠場したMF久保建英(21、レアル・ソシエダ)を含めた全員が最後のメディア取材に応じた。
応援に来ていた家族と会い、その後は長友らベテラン勢と明け方まで雑談をかわしていた吉田は、森保一監督(54)とはまだ言葉を交わしていないと目を真っ赤に腫らしながら明かした。
「森保さんとしゃべったらダメ。(涙腺が)崩壊してしまう。でも、森保さんがここまで僕を信用してくれて、僕にいろいろな役割を与えてくれなければここまで成長できなかった。監督はいつも選手に『感謝している』と言いますけど、僕を含めた選手みんなも感謝している。だからこそ、監督をもう一個上(のベスト8)に連れていってあげたかった」
前人未到の4大会連続出場を達成。W杯の出場試合数を「15」に伸ばした長友は、大会を通して否が応でも耳目を集めた、派手で熱い立ち居振る舞いにあらためて言及した。
「いまの自分とこのチームの一人ひとりのキャラクターを考えたときに、一番経験をしている僕がどんどん熱量を出していかなければいけない、という使命的なものを感じた。すべてが本当の僕ではなかったかもしれないけど、確実にチームのプラスになると思っていました」
日本を発つ前に髪の毛を金色に染めていた長友は、ドイツ代表とのグループステージ初戦を前に赤髪へチェンジ。自分とチームの情熱を象徴したと笑えば、機会があるたびに「ブラボー」や勇気や勇敢さを意味する「コラージョ」とイタリア語を大声で連呼した。
髪の毛は自らへ注目を集めさせ、W杯に初めて臨む選手が19人を数えたチームを、余計なプレッシャーにさらさせないための配慮。そして日本国内だけでなく海外メディアでも注目されたイタリア語は、言うまでもなくチーム全体を鼓舞する意味が込められていた。
交代でベンチに下がった後も、監督以外は原則立てないテクニカルエリアへ何度も侵入。大声で檄を飛ばし、そのたびに「警告の対象になるからやめてくれ」とスタッフにたしなめられていた長友は熱き戦いを終えたいま、自身のキャラクターを自虐的に振り返った。
「僕みたいな変わったキャラクターは、なかなか難しいんじゃないかと思うんですよ。それでも、こんなにうるさいオッサンを受け入れて、生かしてくれた後輩たちには本当に感謝している」