4年後W杯で長友佑都”魂のブラボー”と吉田麻也のリーダーシップを継承するのは誰なのか…堂安律が「エ―スと共にリーダーにもならなくては」と立候補
周囲も「まあ、長友さんだから」と、テンションの高さに同調したわけではなかった。ドイツ戦とスペイン戦でともに同点ゴールをゲット。日本代表史上で3人目となる1大会での複数得点者になった堂安は、吉田を含めて「まさにリーダーだと思う」と憧憬の眼差しを向ける。
「あれほどいろいろな状況を想定しながら、僕たちに声をかけてくれる麻也くんや佑都くんのような存在は、いまの若い選手たちのなかには見当たらない。2人の背中から本当にたくさんのことを学ばせてもらいましたけど、2人も先輩方の背中を見てああいう存在になったと思う。なので、次は僕たち東京五輪世代が背負っていかなきゃいけない。僕自身、エースになりたいとずっと言ってきましたけど、リーダーにもならなきゃいけないといまは思っています」
吉田と長友のどこが周囲と違うのか。堂安はさらに言葉を紡いだ。
「2人に共通しているのはいるだけで安心感があるし、ロッカールームなどでただ話しているだけで説得力がある点ですね。それらがどこから来ているのかは正直、わかりません。それでも、普段の立ち居振る舞いや練習中の細かい対応などは、僕たちも生活をともにしながら見てきた。そうした意味で、今日からは自分がリーダーになる覚悟を持ってやっていきたい」
カタールでの戦いを終えるとともに、代表チームとしての活動もいったん停止される。新たなフェーズへ入る代表と、どのように関わっていくのか。キャプテンを8年間も務めたMF長谷部誠(38、アイントラハト・フランクフルト)は4年前のロシア大会の決勝トーナメント1回戦で、ベルギー代表に逆転負けを喫した翌日に代表からの引退を表明している。
「何も考えていません。というか、次の監督次第でしょう。次の監督がどのように考えるのか。次の監督が誰なのかがまずわからないし、なるようになるでしょう」
クロアチア戦の終了直後に続いて、吉田は具体的な言及を避けた。今シーズン限りでFC東京との契約が満了を迎える長友は、代表チームを桜の木に例えながら吉田に続いている。
「このW杯のために4年間頑張ってきたので、いったんゆっくり休んでそれから考えたい。興奮している状態で何かを決断するのもよくないので。それにしても、W杯は何か一瞬で終わってしまいましたよね。はかないというか、桜の木のように思えます。輝く時間は一瞬だけど、そのために耐え忍び、苦しいことを乗り越えて頑張り続けるのは、まるでサッカー選手のようですよね」