9球団が1位公表“無風ドラフト”で「将来性にロマンを感じる7人」
野手では、体重100キロの高校通算53発を誇る“大砲”日本航空石川高の内藤鵬(右/右、180/100)がロマン候補の筆頭。
「三塁を守っているが肩は評価できない。プロでは一塁かDH。となるとパ・リーグ向きの選手だが、西武のおかわり君や、山川の姿が重なる。特長はプロ並みのバットスイングの速さはもちろんのこと、左肩が動かない点にある。立教大のドラフト上位候補の山田健太と比べると違いが顕著だ。単なるパワーヒッターでなく、しっかりと壁ができてボールに対応できている部分が魅力」と松井氏。
大型遊撃手としては浦和学院高の金田優太(右/左、181/79)に注目している。甲子園では、投手と野手の二刀流で活躍。ベスト4に進んだ今春のセンバツでは4試合で17打数11安打の打率.647、1本塁打、4打点をマークしている。ちなみに投手としても最速143キロを出した。
「攻守にわたってスケールが大きい。ピッチャーで140キロを出すくらいだから肩の強さも抜群で、バッティングでは右足がしっかりと投手にむかってステップしてブレがない。コンタクト能力も高いが、これから体ができてくればもっと飛距離は伸びる」
10球団から調査書が届き、特にロッテが熱心だという。
即戦力のスラッガーとしては中京大の澤井廉(左/左180/102)に注目した。中京大中京高では、2年夏に甲子園に出場して通算31発。プロ志望届は出さずに進学を選び中京大ではパワーアップして通算10発を放った。足はないが強肩の外野手。
「広島、阪神で活躍した金本知憲みたいなパワーグリップ。体が柔らかいので、それがスイングスピードにつながっているのだろう。センター、左中間に大きい当たりを打てるのが魅力で、タイミングが遅れたボールを、そのパワーとスピードで取り返せる力がある。今の大学生はフライボール革命のアッパースイングが全盛だが、澤井は、そういうバッティングをしない」
またロマン候補としては、あてはまらないのかもしれないが、実戦向きの即戦力の二塁手として松井氏が目をつけたのは明大の村松開人(右/左、171/80)だ。東京6大学を視察した中日の立浪監督が村松を絶賛したことで話題になった。
「とにかくバッティングがしぶとい。171センチと小さいが、内角のボールを逆方向の左中間への長打にできる。それもジャストミートではなくやや遅れて詰まりながらも持っていける対応力がプロ向き。振り幅の中でバットコントロールしているということだ。2月に膝の手術をしているそうだが、足も速い。守備も使えると思う。即戦力の内野手が欲しいチームは3、4位指名くらいで抑えに来るかも」
育成も含めて各球団はどんな特色を見せてチームの運命を握るドラフトを終えるのだろうか。
(文責・RONSPO編集部)