J1神戸・三木谷会長が柏戦のPK判定巡り「意味不明」「あれがファール…」と怒りのツイート連発…その抗議は本当に正しいのか?
PK判定うんぬんではなく、国際Aマッチデー期間中による中断に伴い、ある程度の準備期間があったにもかかわらず負けた点を深刻に受け止めた方がいい。補強を含めて何らの手を打たなければ、手遅れになりかねない状況にあるからだ。
試合後のフラッシュインタビュー。この日が65歳の誕生日だった、スペイン出身のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は前半のサッカーを悔やんだ。
「先制はできたものの前半はボールを持てず、守備でも苦しめられる時間が多かった。後半はよくなった部分はあるがゴールを決めきれず、このような結果になってしまった」
前半は中断期間中に準備してきた3バックでスタート。中盤もアンカーに山口蛍(31)、インサイドハーフには橋本と郷家友太(23)を並べ、イニエスタをFW武藤嘉紀(29)に近い位置でプレーさせた。しかし、シュート数はわずか2本と奏功しなかった。
後半開始からはイニエスタをトップ下にすえた4-2-3-1へスイッチ。大迫の投入後は武藤を右サイドハーフへ移し、27分からはイニエスタに代えて元スペイン代表のボージャン・クルキッチ(31)を投入したが、一度傾いた流れを変えられなかった。
自らを責めるように、ロティーナ監督はさらにこんな言葉を紡いでいる。
「準備してきたことが上手くいかなかった前半が敗因だと思っている。負けることは本当に痛いが、チームとして改善して成長していくしかない」
今シーズンだけで3人目の指揮官として、ロティーナ監督が就任したのが4月上旬。もっとも期待された守備の再建はリーグで3番目に多い25失点と進まず、攻撃陣も依然としてリーグで3番目に少ない15得点に甘んじている。
新体制になった後も2勝1分け5敗と黒星がたて込み、後半戦への最下位ターンが決まった。神戸の歴史を振り返れば2005シーズン以来の屈辱で、17年前は最終的に断トツの最下位に終わり、クラブ史上初のJ2降格を喫している。
残留を争うチームでは16位の清水エスパルス、17位の湘南ベルマーレがともに勝利したため、神戸との勝ち点差は前節までの「2」から「5」へと再び広がった。J1残留圏の15位・ガンバ大阪との勝ち点差も「6」となっている。
11月にカタールワールドカップが開催される今シーズンは、最終節も11月5日と約1ヵ月も前倒しされている。ただでさえ少ない立て直すための時間が刻一刻と減り、その分だけ3度目のJ2降格を喫する恐怖をも心の片隅に抱きながら、神戸は26日に後半戦の初戦として浦和レッズをホームのノエビアスタジアム神戸に迎える。 (文責・藤江直人/スポーツライター)