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阪神が京セラで開幕白星
阪神が京セラで開幕白星

「(開幕戦悪夢が)そりゃよぎるやろ」…開幕白星発進の岡田阪神と連敗地獄だった昨年の矢野阪神の何がどう違ったのか?

「みんな楽なところで開幕させてやりたいというのがあった。開幕のプレッシャーとか抜きにしても、ボールは高いし甘いというのはある。そのへんはだいぶ修正しないといけないところもあるかもわからないね」
 守りでは失策どころかスーパープレーが連発した。
 立ち上がりに一死から林のベース寄りのゴロを中野が逆シングルからジャンピングスロー。4回にはショート頭上を襲う佐野のライナーを小幡がジャンプ一番好捕した。
「アウトできる打球はボールをアウトにしよう。基本的なことをずっとやってきた。今日は本当にいいプレーがあった」
 秋季キャンプから基本を徹底してきた成果である。
 究極は7回。一死から関根の右中間へ向かう打球を途中出場の板山が背走からのスライディングを試みてスーパーキャッチ。6回途中に岩崎を投入した際、岡田監督は、打順を考えての二枚替えで、森下に替え板山をライトに入れていた。「なんとなく替えとったんやなあ」。これが65歳の指揮官の勝負勘なのだろう。
 ベンチで岡田監督は、何度か白い歯を見せて笑ったが、矢野監督のようなガッツポーズを見せることはなかった。
 選手もそうだ。ペッパーミルパフォーマンスもない。誰一人として派手なことはしない。ごく自然発生的に生まれる喜びの姿だけ。ホームランは出なかったが、“虎メダル”も廃止された。
 プロフェッショナルの野球の佇まいがそこにあった。
「(開幕は)143分の1だけど、負けるよりも当然まず1つ貯金作った方がいいに決まっている。とにかく先発6人が投げるまでは、開幕のつもりで、選手も何とか先発に白星つけられるように5点、6点取れても援護してやってね。こういう状態が続くと思うんだけど、なんとか辛抱。まだ開幕していない野手もいるし、ピッチャーもいる。まだ明日も開幕みたいな感じになると思う。みんなが落ち着いて野球ができるまでは」
 エースに勝ちがつき、クローザーにセーブ、そして気になるクリーンナップの全員にヒットが出て、最高の形での開幕白星スタートとなったにもかかわらず岡田監督は浮かれてはいない。
 一方、選手批判を嫌う横浜DeNAの三浦監督が、珍しく楠本の怠慢プレーに、「隙を見せた。大いに反省してもらう」と激怒した。就任以来3年連続の開幕黒星。賛否が起きるのを覚悟の上で、青柳対策に宮崎、ソト、桑原というレギュラー3人をスタメンから外して8人の左打者を並べて、不発に終わったが、「最後の四球はもぎとった。追いつけなかったけど明日につながる」と逆襲を宣言した。
 それぞれの思惑と思いを乗せてデーゲームで始まる開幕の第2ラウンドは、阪神が秋山、横浜DeNAがガゼルマンを立てる。

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