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記録に残らないミスが足を引っ張り巨人が4点のリードを守れずに逆転負け(写真・黒田史夫)
記録に残らないミスが足を引っ張り巨人が4点のリードを守れずに逆転負け(写真・黒田史夫)

なぜ巨人の秋広はファウルを捕球して犠飛を許してしまったのか…記録に残らないミスで4点リードを守れず連敗…原監督の継投ミスを指摘する声も

 巨人が2日、東京ドームで行われたヤクルト戦で4点のリードを守れず5-7で逆転負けを喫した。先発の戸郷翔征(23)が6回を投げきれず4失点。同点を許したルイス・ブリンソン(28)の後逸やファウルフライを捕球して犠飛にしてしまった秋広優人(20)の判断ミスなど「記録に残らないミス」がチームの足を引っ張り、8回にホセ・オスナ(30)に1試合2本目となる勝ち越しの2ランを浴びて追いつけなかった。巨人は連敗で4位浮上の機会を逃した。

 ベンチの指示ミスか、秋広の判断ミスか?

 

 完全に巨人の勝ちパターンだった。
 ヤクルトの先発サイスニードの立ち上がりを攻め、坂本の三塁ベースに打球が当たるラッキーなタイムリーで先制点を奪い、2回に大城、ブリンソンの連打から戸郷の犠飛、「2番レフト」で先発起用された秋広のタイムリーなどで3点を追加してゲームの主導権を握った。
 だが、4回にオスナに5号ソロを許していた先発の戸郷の雲行きが6回に怪しくなる。高津監督が試合後に「あの一発が大きかった。彼に1本出るとチームへの刺激が大きい」と振り返った山田のレフトへの3号ソロで、2点差とされると、打率1割台と、不振の村上を歩かせ、一死からサンタナにも四球を与えた。続く長岡を一塁ゴロに打ち取ったが、フォークが落ちずバットの芯で捉えられており、球数も97球をカウントしていた。原監督は、二死一、三塁で中村を迎えたところでベンチを出て鍵谷への交代を告げた。
 報道によると原監督は交代理由について「全体的なことを考えて」と説明している。結果的に継投策は裏目に出た。鍵谷は2-0とボールが先行。ストライクを取りにいった141キロのベルトの高さの外角ストレートを中村にセンターの右へ弾き返された。さらにここで悪夢が起きる。
 なんとバウンドする打球に追いついていたブリンソンが、グラブに触ることもできずに、これを後逸。同点の一塁走者の生還まで許してしまったのである。失策はつかなかったが、勝負を分ける失態。鍵谷は、天を仰ぎ、ベンチでは戸郷が呆然としていた。
 巨人でコーチ経験のある新潟アルビレックス監督の橋上秀樹氏は、序盤戦の戦いを見て「点が取れないので、ある程度、守備力には目をつぶり、攻撃重視の布陣になるのは理解できるが、今年の巨人は球際の弱さや守りのミスが目立つ。シーズンをトータルで考えるとそういう部分がジワジワと響いてくる」というような指摘をしていたが、最低限の守りさえできないのは、原監督としても想定外だろう。試合後、原監督は「4点をゲームとして守れなかったということでしょう。6回というのが、一つの先発としては、というところにおいては、”まあ”という感じだね」と、言葉を濁しながらも戸郷への厳しいコメントを残した。
 セ・リーグでコーチ経験のある某プロ野球OBは、「四球が2つ続き、長岡の当たりを見て戸郷は100球で限界と判断したのかもしれないが、彼にエースの自覚と責任を持たせ、シーズンを戦うのであれば、あと1人投げ切らせるべきだった。ベンチの我慢が足りない。結果論としてベンチの継投ミスだったと思う」と原采配を問題視した。
 8回には7試合連続無失点を続けてきたドラフト3位の“8回の男”田中千が一死一塁からオスナにこの日2本目となる勝ち越しの2ランをレフトスタンドに叩き込まれた。フォークが高めにスッポ抜けた失投を見逃してはくれなかった。
「自分の状態が良かったので、たまたま甘く入ってきた球を何とかうまくとらえていい感じに飛んでくれました」とはオスナの談話。
 その裏、中田翔の一発で1点差に詰め寄るが、また“巨人の弱さ“を象徴するような記録に残らないミスがあった。

 

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