海外メディアは井岡一翔とフランコのドロー判定に見解割れる…「フランコが攻撃と手数で制した」「井岡が後半戦にベストの戦い」
米ボクシング専門サイト「ボクシングシーン」は「WBA/WBOの王座統一戦でフランコ、井岡の戦いはマジョリティードローへ」との見出しを取り、1ラウンドごとの戦いをこう伝えた。
「フランコは1ラウンドから安定したジャブを見せ、16ヶ月以上リングから遠ざかっていたブランクの兆候を見せなかった。このラウンド中盤に両者は、左フックを打ち合ったが、井岡がコンビネーションを綺麗に決めた。ラウンド終盤はフランコの左フック、右ストレートのコンビネーションを受けることが多かった。
2ラウンドは序盤から井岡のペースだったが、フランコのハンドスピードに苦しめられる。大阪出身で現在は東京で練習している地元出身の王者は、左ボディと右フックを当て観客からささやかな拍手を浴びた。残り10秒でフランコはコンビネーションを集めた」と序盤戦を紹介。
「4ラウンドに井岡はフランコのガードの上から右のロングパンチを放ち、この時点で最高のパンチとなった。フランコのマウスピースが外れた。5ラウンドに井岡は持ち前のディフェンス力を発揮。動きでフランコを翻弄し、右ストレートを出しながら外からのパワーショットを連打した」と、井岡の戦いぶりを評価した上で、こう続けた。
「後半戦に入ると井岡は守勢に回らざるを得なかった。井岡がロープ際での攻防を強いられた。10ラウンドはフランコ陣営のロバート・ガルシア・トレーナーは『井岡は疲れている』と言ったが、井岡は、第二の風を吹き込み、より効果的な打撃を放った」
そして最終ラウンドについて「井岡が動きながらフランコの攻撃をスローダウンさせようとした。井岡はラッシュをかける隙を見出した。パンチは当たらなかったが、フランコの反撃を防ぐには十分な効果があった。フランコは、手の届きそうなキャリアベストの勝利を目指し、フィニッシュラインを目前にしたところで、最後の戦いをリングの中央へ押し戻した。ジャッジ3人のうち2人は(フランコの勝利と)はっきりと見なさず、フランコの不運な戦績にまた1つ引き分けが加えられた」と詳細にレポートした。
米ボクシング専門サイトの「ボクシングニュース 24/7」は、ドローに終わった試合内容をこう伝えた。
「祝い事に精通したファンたちが知っているように、ボクシング界にとって日本の大晦日は常に大きな一夜となる」と説明した上で「井岡は統一王者となるという彼の目標の最初のステージとして、WBAのタイトルを加えることを目論んでいた。だが、フランコは、彼の攻撃的なアプローチや手数でポイントを稼ぎ、今日の戦いを僅差で制していたように見えた」と、ドローに終わった試合は、フランコ有利だったとの見解を伝えた。
記事は「フランコは、間違いなく彼のキャリアで最高の戦いを見せたが、最終的にそれは十分ではなかった。多くのファンが、もしかしたら井岡が幸運だったと感じるだろう。すべての関係者にとって再戦することがベストで最もフェアな形になるだろう」と指摘。
「2019年6月にスーパーフライ級の王者となった井岡は、23度の世界戦を戦い、多くの成功を収めてきたが、(33歳という)年齢の影響で、もうかなり鈍くなっているのかも。もし井岡とフランコの間でリマッチがあれば、また再び日本で行われるだろうか。彼の素晴らしいキャリアが終わる前に米国での統一戦で井岡のボクシングを見られれば素晴らしいだろう」という厳しい評価を伝えて、井岡の米国登場を期待した。
そして「井岡は4階級を制した将来の殿堂入り選手だ。だが、27歳のフランコが、今日は日本のレジェンドの1人(の井岡)の前進を妨げたようだ」という見解で記事を締めた。