全国高校サッカー選手権で注目の5人の逸材
全国高校サッカーで見るべき5人の逸材…海外内定ストライカーから異例の大型FW&DF“二刀流”に“ネクスト三笘”まで
【森重陽介】[神奈川・日大藤沢3年/FW/198cm・86kg]
大型FWと呼ばれた選手は過去100回の選手権で何度も現れた。それでも今大会の出場選手で最も高い198cmのサイズを誇り、50mを6秒2で走破するスピードも搭載し、さらに足元の高いテクニックも併せ持つ森重陽介は極めて稀有なホープといっていい。
圧倒的な存在感はFWとして放たれるだけではない。リードを奪った展開になれば、後半途中からセンターバックへ配置展開。MLBの大谷翔平(エンゼルス)をほうふつとさせるリアル二刀流が、12月29日の西原(沖縄)との1回戦でいきなり全国へ披露された。
前半13分、後半3分に高さを生かして頭で連続ゴールをゲット。両チームを通じて最多となる7本のシュートを放つと、後半14分からはセンターバックへ。右ふくらはぎがつった影響で3分後に交代したものの、秘められた能力を示すには十分だった。
中学生年代は東京ヴェルディのジュニアユースで、センターバックやサイドバック、ボランチでプレーした。身長が急激に伸びた成長痛に悩まされ、ユースへの昇格を逃した森重は日大藤沢へ進学。2年生からFWとの二刀流挑戦を本格的にスタートさせた。
清水エスパルスにはFWとDFの両方で練習参加して内定を勝ち取った。日大藤沢の佐藤輝勝監督も高校段階で可能性の芽を摘みたくないと、ポジションを固定しなかった。無限の可能性を秘める大器は2日の3回戦で神村学園と対戦。高校ナンバーワンストライカーの福田と点取り屋同士として、展開次第では後半途中から屈強なセンターバックとして対峙する。
(文責・藤江直人/スポーツライター)