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箱根駅伝2023の往路Vは“3冠”を狙う駒大。2位は30秒差の中央大で前大会覇者の青学大は2分03秒差の3位から逆転を狙う
箱根駅伝2023の往路Vは“3冠”を狙う駒大。2位は30秒差の中央大で前大会覇者の青学大は2分03秒差の3位から逆転を狙う

箱根駅伝での連覇を狙う青学大は「1分半の危険水域」超えた2分03秒差の3位から往路Vの駒大を逆転できるのか?

【中大】6区若林陽大(4年)、7区白川陽大(1年)、8区中澤雄大(4年)、9区湯浅仁(3年)、10区助川拓海(4年) 補欠:田井野悠介(4年)、千守倫央(4年)、大澤健人(3年)、山平怜生(2年)

 第100回大会での優勝を目指している中大。藤原正和駅伝監督は、「明日にいい形でつながりました。チャンスはゼロじゃないので、ここまで来たら総合優勝を狙って頑張りたい。若林は自信を持って置いています」と発言している。
 6区は前回5位の若林陽大(4年)、8区は同3位の中澤雄大(4年)、9区は同3位の湯浅仁(3年)が登録されている。さらに出雲駅伝と全日本大学駅伝のスピード区間で活躍した千守倫央(4年)と、関東インカレのハーフ3位の山平怜生(2年)を残しており、復路メンバーは強力だ。主将・若林は区間賞を狙っており、30秒差は〝射程圏内〟といえるだろう。

 駒大と中大の戦いは6区終了時で中大がトップに立っている可能性が高い。駒大としては6区で大きく遅れると悲願の“3冠“が難しくなる。ポイントは6区。ここをしっかりとつないで7~9区での再逆転につなげたい。

 そして青学大だ。予想布陣はこうなる。
【青学大】6区西川魁星(4年)、7区佐藤一世(3年)、8区荒巻朋熙(1年)、9区塩出翔太(1年)、10区中倉啓敦(4年)、補欠:岸本大紀(4年)、中村唯翔(4年)、西久保遼(4年)、田中悠登(2年)

 青学大の過去6度の総合優勝を振り返ると、復路の逆転Vは2018年の一度だけ。そのときは往路トップの東洋大とは、逆転圏内の36秒差で、6区でトップを奪って悠々と逃げ切っている。今回は、首位の駒大と2分03秒差。原晋監督は「危険水域は1分半だと思っていた。でも可能性がゼロのタイム差ではない。一区間一区間大切にいくしかない」と話している。

 2年連続の5区を予定していた若林宏樹(2年)が、前日練習で体調不良が分かり、急きょ欠場。6区に起用予定だった脇田を5区にまわしたが、「想定より1、2分悪かった」との誤算があった。“玉突き”で6区は、本来なら出場しないはずの選手が走ることになるため、復路の序盤は厳しい戦いが予想される。
 それでも7区には前々回4区2位&前回8区2位の佐藤一世(3年)、アンカーには10区の区間記録保持者・中倉啓敦(4年)を登録している。さらにエース格の岸本大紀(4年)を残しており、原監督は9区での起用を明言。また9区で区間記録を持つ中村唯翔(4年)も補欠に控えている。
ベストメンバーを組むことができれば7~10区の破壊力は十分にある。
 大逆転を演じるには、まずは復路のスタートとなる6区でトップチームとの差を少しでも縮めたいところだ。
「箱根駅伝は何が起こるかわからない」という原監督。
 平成以降でも。2006年に亜細亜大が往路トップの順大から2分51秒差の6位から逆転、2021年に駒大が2分21秒差から逆転したケースがある。正月決戦で何度も劇的勝利を収めてきた前回王者が意地を見せるか。
(文責・酒井政人/スポーツライター)

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