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今大会ナンバーワンストライカー福田師王(神村学園)が1ゴール1アシストの活躍で優勝候補の青森山田を撃破してベスト4進出(写真・アフロスポーツ)
今大会ナンバーワンストライカー福田師王(神村学園)が1ゴール1アシストの活躍で優勝候補の青森山田を撃破してベスト4進出(写真・アフロスポーツ)

神村学園を4強に導いた大会ナンバーワンFW福田師王はどれほどの逸材なのか…すでにボルシアMG入りが内定

 

 大会終了後にドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシアMG入りが内定し、開幕直前の昨年12月下旬には記者会見も開いた。2年生の段階から高校ナンバーワンストライカーと呼ばれてきた福田への注目度は、マークの厳しさとともにはね上がった。
 前回王者の青森山田も多久島、三橋春希(3年)の両センターバックがチャレンジ&カバーを繰り返し、自分たちのゴール前で福田に決定的な仕事をさせなかった。フラストレーションがたまる展開のなかで、それでも福田は相手のマークを一身に受けてきた。
 体調不良で初戦からベンチを外れている有村圭一郎監督(45)に代わって指揮を執ってきた、栢野(かしわの)裕一コーチは「マークが厳しくなることは福田本人も理解しています」と振り返りながら、準決勝進出を決めたチームに思わず目を細めた。
「そのなかで周りがしっかりと福田をサポートして、グループで助け合いながらやっていければいいねと常々言ってきました。西丸や中盤の大迫と笠置(潤、3年)、そして両センターバックと福田の周りにいる選手たちが非常にいい仕事をしてくれている」
 後半20分の決勝点は福田のポジショニングから生まれた。
 自陣の深い位置から再び発動させたカウンター。大迫から西丸、1年生ながら試合の流れを変えるスーパーサブを演じているMF名和田我空(がく)、再び西丸と流れるようにパスがつながる。西丸が鋭い切り返しから、左足でシュートを放った直後だった。
 シュートは右サイドバックの渡邊来依(らい、3年)が必死にブロックした。しかし、こぼれ球が何度もポジションを取り直し、フリーになっていた福田の目の前に転がってくる。自身をマークしてきた多久島や三橋は西丸のケアにあたっていた。
 しかし、青森山田の守護神、葛西淳(3年)が必死の形相で前へ飛び出してくる。福田はとっさの判断で、利き足とは逆の左足の“ある部分”を使った。
「アウトサイドでちょこんとつつく感じでした。相手に触られないように」
 無人のゴールに吸い込まれる逆転弾を見届けた福田は、ゴール裏に陣取るカメラマンのもとへ駆け寄っていく。両腕を胸の前で交差させ、手首から先を脇の下にはさむポーズを披露した。FIFAワールドカップ・カタール大会で得点王を獲得したフランス代表のエースストライカー、キリアン・エムバペ(24)の十八番のポーズは前夜に約束したものだった。
 年代別の日本代表で意気投合した昌平(埼玉)のMF荒井悠汰(3年)から電話がかかってきた。3回戦で前橋育英(群馬)に敗れ、高校サッカーを終えた戦友から「あとは任せたぞ」と勝利を託された福田は、ゴールとともにある言葉を告げている。
「そのときにはエムパベのポーズをするね、と話しました。みんなで(青森山田を倒して)歴史を変えようと話していたので、本当によかった」

 

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