ついに野球殿堂入りした元阪神“最強助っ人”バース氏が岡田阪神の“アレ”に熱烈エール…1985年の“日本一監督”吉田義男氏が明かした秘話とは?
徐々に得票数を伸ばし、2021年はトップの95票を獲得した。しかし、当選に必要な有効投票の75%以上までわずか6票、昨年も同じくトップの106票ながら4票足りなかった。11回目の今年は殿堂入りした者と競技者表彰委員会の幹事、そして野球報道年数30年以上の経験を持つ委員から121票を獲得。有効投票の78.6%に達して野球殿堂入りを果たした。
NPBにおける実働年数の短さを指摘する声も実は少なくなかった。それでも在籍約5年半で打率.337、743安打、202本塁打、486打点をマーク。ファンから「神様、仏様、バース様」と崇められた最強スラッガーの殿堂入りを、吉田氏は当然だと歓迎した。
「(NPBに在籍した)期間は短かったですけど、ランディは日本の野球へ大きく貢献しました。今年からは苦楽をともにしたともにした岡田が、再び阪神の監督を務める。アメリカからいろいろな意味で、応援していただきたいですね」
日本一の喜びを分かち合った盟友、岡田氏の17年ぶりの監督復帰は、もちろんバース氏のもとへも届いている。メッセージのなかで「阪神の監督に岡田さんが復帰してくれて、大変喜んでいます」と今年の阪神にも言及。その上で熱いエールを贈った。
「タイガースにはリーダーが必要です。一緒にプレーしたころとはチームカラーがまったく違いますが、投手を中心に守りを固めて岡田さんらしいチーム作りをして、優勝してくれると信じています。今年中に日本へ行き、岡田阪神の試合をぜひ見たいと思っています。(岡田監督と)会っていろいろな話をしたいと思っています」
自身に次いでセ・リーグの三冠王に輝いた村上宗隆(22、東京ヤクルト)にも注目していたというバース氏は「彼(村上)だけでなく、日本代表チームのパフォーマンスをしっかりと見たいと思っています」と3月に開催されるWBCにも興味を抱いている。
特別表彰を含めて野球殿堂にはこれで215人が選出された。そのなかで外国人選手はわずか4人。1960年選出の元巨人のスタルヒン氏は小学生時代から日本の学校へ通い、1994年選出の元中日の与那嶺氏(ともに故人)は日系二世だった。
MLBをへて来日し、NPBで活躍したいわゆる“外国人助っ人”では、プレーヤー表彰で選出されたラミレス氏とともにバース氏が歴史の扉を開けた。来日する時期は、現時点では「後日発表」とされている表彰式への出席を兼ねたタイミングとなるだろうか。待望の野球殿堂入りを機に、史上最強助っ人と日本との距離が再び縮まろうとしている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)