なぜ井上尚弥の地元座間市での4団体統一記念パレードは幻に終わったのか…座間市長は再度熱烈ラブコール!
プロボクシングのバンタム級前4団体統一王者の井上尚弥(29)と弟で元WBC世界バンタム級暫定王者の拓真(27、共に大橋)の2人が14日、生まれ故郷で今も住居のある地元、神奈川県座間市のハーモニーホール座間で行われた「ざま井上兄弟ファンミーツ」に参加、トークショーを行った。実は、この日、座間市長の佐藤みと氏が“公約”した4団体統一成功を記念する「座間パレード」が大々的に行われる予定だったが、井上尚弥が辞退し、ファンミーツに代替えとなったもの。今後も兄弟同時チャンプ、2階級4団体統一王者などのパレードを行う節目があるため、同市長は「お二人の気分が乗ればぜひやりたい」とラブコールを送った。
「お二人ともシャイなんですよねえ」
4団体統一記念の地元パレードが幻に終わった。
この日、ハーモニーホール座間の大ホールは、地元の座間市民だけでなく、北は北海道から南は鹿児島まで幅広い地域から集まった870人のファンで埋まり、2人のトークに耳を澄ましたが、実は、これは代替えイベント。昨年7月に行われた同イベント時に佐藤市長は、「4団体統一に成功した暁には、パレードをしたい」と“公約”したが、昨年12月13日に井上がWBO世界バンタム級王者のポール・バトラー(英国)を倒して、4つのベルトをまとめると、パレード計画を練り、すぐさまオファーしたという。
だが、井上尚弥は「こっ恥ずかしいので、これくらい(トークショー)にして欲しい」と辞退を申し入れ、拓真も「恥ずかしい」と同調して、パレードは幻に終わった。リング上では、怖いものなしの“モンスター”も、パレードという形で人前に出ることには“照れ”がある様子だ。
「あいにく雨でしたしね」と、井上尚弥は笑うが、本来であれば、2人がオープンカーに乗り、座間の立野台小学校から座間市役所の前まで直線距離にして約6、700mの短い距離をパレードするプランだったという。
「(パレードは)今日だったのですが…お二人がやりたい形が第一ですので。お二人ともシャイなんですよね」
佐藤市長は残念そうだったが、そこは政治家。あきらめていない。
「今日も子供たちにアドバイスをいただくなど、お二人との交流は励みになります。これだけのスターですので、多くの方がお会いしたかったと思います。お二人の気分が乗りましたら、ぜひ(パレードを)やりたいなと」
再度、熱烈オファーをかけた。この日のファンミーツは募集定員に対して16倍の競争率だったそうだが、パレードとなれば、ファンみんなとの交流が可能になる。
今後もパレードにふさわしい節目はある。
井上尚弥は、前日に行われた4団体王座の返上会見の席で、「井上家としての夢である兄弟での同時世界チャンプを掲げてトレーニングを積んでいる。それが近々の目標」と語った。
兄が4月に予定しているスーパーバンタム級への転級初戦が世界戦になるか、どうかは「現在交渉中」だが、年内には世界戦は実現するだろう。
一方の拓真も、この日、世界王座奪取の決意表明をした。
「ついに来たか。やっと返上してくれた、ずっと待っていたよ、という気持ち。このチャンスをものにして、最終的には、自分もひとつひとつ(ベルトを)集めたい」