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W杯で世界を驚かせた三笘の1ミリ(写真・AP/アフロ)
W杯で世界を驚かせた三笘の1ミリ(写真・AP/アフロ)

なぜ三笘薫は1654人の選手間投票で初代MVPに選ばれたのか…将来の海外組へ贈った3つのメッセージ

 たとえばMVPはJ1がDF岩田智輝(25、当時横浜F・マリノス、現セルティック)、J2がFW小川航基(25、横浜FC)、J3がFW有田稜(23、いわきFC)がそれぞれ受賞した。これは監督および選手の互選とチェアマンを委員長とする選考委員会の議論を組み合わせる形で選出し、年末のJリーグアウォーズで発表された顔ぶれと変わらなかった。
 興味はおのずとすべての男子会員が受賞対象となり、今回は特例でカタール大会に招集された会員以外の代表選手も加わった「JPFAカテゴリー」に注がれる。
 果たして、ベストイレブンは全員が海外組となった。投票期間がW杯の終盤に設定された影響からか、MF堂安律(24、フライブルク)やDF板倉滉(25、ボルシアMG)、FW伊東純也(29、スタッド・ランス)ら9人がW杯でプレーした選手が占めた。例外はGKシュミット・ダニエル(30、シント・トロイデン)とFW古橋亨梧(27、セルティック)だった。
 そして、選者が一人だけを選んで投票するMVPで三笘が選出された。
得票数は非公開とされたが、全4試合で後半開始もしくは途中からの出場だったW杯カタール大会を含めて、森保ジャパンで切り札やジョーカーを拝命。所属クラブでは昨年前半を期限付き移籍先のユニオン・サンジロワーズ(ベルギー)で、満を持して復帰したブライトンで後半をプレーした三笘がいかに強烈なインパクトを残したのかがわかる。
 そして、初代MVPとなった三笘はビデオメッセージのなかで、将来の海外挑戦を夢見るサッカー少年や少女が、いまから実践できる3つの努力を発信している。
 金言の筆頭として「自分にしかない武器を持つ」を掲げた。
「僕自身、ドリブルという武器でどんな場所へ行っても自信を持って相手に立ち向かえました。そういった武器を持つことが最後、自分を信じる力につながります」
 さらに三笘は「自分を分析する力」の大切さも訴えた。
「現在の自分のプレースタイルや特徴、将来なりたい姿、理想をイメージしながら、日々どうやって練習するかを考えていくことが大事になります」
 そしてアドバイスの最後を「毎日を大事することです」と締めた。
「将来なりたい自分になるためには、毎日の小さな積み重ねしか成長する方法はありません。将来の夢に向かって、いま努力できることを頑張ってください」
 3カ条の金言は、これまでの三笘のサッカー人生そのものでもある。川崎フロンターレの下部組織で心技体を磨いた三笘は、高校生年代のU-18からトップチームへの昇格が内定しながらあえて辞退し、2016年4月に筑波大へ進学している。

 

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