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アフマダリエフの対戦ラブコールで井上尚弥が年内に世界初となる2階級4団体統一を果たす可能性が出てきた(写真・山口裕朗)
アフマダリエフの対戦ラブコールで井上尚弥が年内に世界初となる2階級4団体統一を果たす可能性が出てきた(写真・山口裕朗)

井上尚弥が年内に世界初2階級4団体統一達成の可能性が浮上…フルトン戦合意に続き、もう一人の世界王者アフマダリエフが”モンスター”との対戦を熱望

 

プロボクシングのバンタム級前4団体統一王者の井上尚弥(29、大橋)がスーパーバンタム級へ転級する際に目標に掲げた世界初となる2階級4団体統一王者が年内にも実現する可能性が出てきた。
 井上は5月上旬に日本で、WBO&WBC世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(28、米国)へ挑戦することで合意に達したが、もう一人の世界王者であるWBAスーパー&IBF世界同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(28、ウズベキスタン)の共同プロモーターであるマッチルームのエディー・ハーン会長(43)が英メディア「ボクシング・ソーシャル」の取材に「我々は彼と戦う準備ができている」と語ったもの。アフマダリエフは4月にIBF世界同級1位で元WBO世界バンタム級王者のマーロン・タパレス(30、フィリピン)との指名試合を控えているため、井上がフルトンに勝ち、アフマダリエフがタパレスに勝つことが条件となる。

「我々は井上と戦う準備ができている」

 

 電撃的に合意に達した井上―フルトンのビッグマッチに続き、もう一人の世界王者であるアフマダリエフ陣営の大物プロモーターが“モンスター”との年内対戦を熱望した。
 英の大手プロモート会社であるマッチルームのハーン氏が、英メディア「ボクシング・ソーシャル」のインタビュー取材に1時間にわたって対応。最後に井上―フルトン、井上―アフマダリエフ戦について触れたのだ。
 ハーン氏は、まず「井上は122ポンド(スーパーバンタム級)での統一を望んでいる。そうだろう?」と、井上が世界初となる2階級4団体統一をスーパーバンタム級での目標に掲げていることを確認した。
 井上は、13日のバンタム級の4つの王座の返上会見で「2階級4団体統一は世界初。そこを狙います」と公言していた。
 ハーン氏は、その上で「(4団体統一の)その前に、井上対フルトン、井上対アフマダリエフを戦わねばならない。とてつもなくすごい試合だ。アフマダリエフがタパレスと指名試合を戦う状況にあるが、我々には井上と戦う準備はできている」と断言。
 彼がプロモートする2団体統一王者のアフマダリエフが、井上がフルトンに勝った場合に挑戦を受けて立つ考えがあることを明かしたのだ。
 ハーン氏は、すでにアフマダリエフ自身の意思も確認したという。
「私は(スタッフの)ヴァディム(コルニロフ)とMJ(アフマダリエフ)とも井上との試合を望んでいるかについて話をした。彼らは、その試合を望んでおり、井上を相手にアフマダリエフが最初に試合を行う、もしくはフルトン戦の後に統一戦を行うという準備はできている。この階級における素晴らしい戦いとなる」
 ただアフマダリエフは、岩佐亮佑、勅使河原晶弘、大森将平ら日本人ボクサーと対戦経験あるタパレスとIBFの指名試合を行わねばならないので、その防衛戦をクリアすることが条件となる。昨年6月のWBAの指名試合であるロニー・リオス(33、米国)との防衛戦で12回TKO勝利したが、その際に左拳を骨折。手術をしており、その回復に時間がかかるため、タパレス戦は4月にずれこむとみられている。
 井上がフルトンに勝ち、アフマダリエフがタパレスに勝つという2つの条件がクリアされれば、いきなり井上が4つのベルトをまとめるビッグチャンスを得る可能性が出てきたのである。
 マッチルームは、欧米での放映契約を「DAZN」と結んでおり、井上の共同プロモーターのトップランクが放映契約を結ぶ「ESPN」とはライバル関係にあるが、それらの障害を乗り越えてでも戦いたい魅力が井上にはあるのだろう。実際、フルトンもPBCの契約選手で放映局は「ショータイム」だが、今回はトップランクのESPNで放映されることになりそうなのだ。

 

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