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ブライトンの三笘薫がレスター戦でスーパーゴールを決める。今季4得点目だ(写真・ロイター/アフロ)
ブライトンの三笘薫がレスター戦でスーパーゴールを決める。今季4得点目だ(写真・ロイター/アフロ)

なぜ三笘薫の「Absolutely no chance(お手上げ)」と実況された“ゴラッソ”が生まれたのか…見えてきた日本人プレミア最多得点記録

 プレミアリーグ・ブライトンの日本代表MF三笘薫(25)が、衝撃的なスーパーゴールを決めた。レスター・シティの本拠地、キングパワー・スタジアムに乗り込んだ21日(日本時間22日未明)の第21節で先発した三笘は前半27分、左サイドから得意のカットインで相手ゴール前に侵入して右足を一閃。ペナルティーエリアの外からカーブの軌道をかけた一撃をゴール右上へ突き刺した。W杯カタール大会に再開されたリーグ戦で、5試合連続で先発して3ゴールをゲット。世界最高峰の舞台で無双ぶりを発揮している。

 得意のカットインからのミドルシュート

 

 三笘が決めたばかりのゴールを何度も再生しながら、生中継していた『FOX SPOTRS』の実況が思わず切り出した言葉がすべてを物語っていた。
レスター・シティの守護神で、ウェールズ代表として先のW杯カタール大会にも出場したダニー・ウォード(29)の胸中を慮るかのようにこう唸ったからだ。
「Absolutely no chance」
 日本語に訳せば「お手上げ」か、あるいは「なす術なし」となるだろうか。敵地を騒然とさせた一撃は、両チームともに無得点で迎えた前半27分に生まれた。
 左タッチライン際でパスを受けた三笘が、ややスピードを落としたドリブルで右斜め前の相手ゴールへと迫っていく。対峙したレスター・シティの左サイドバック、ティモシー・カスターニュ(27)は三笘の縦への突破をケアしながら間合いをキープした。
 ベルギー代表としてW杯カタール大会にも出場したカスターニュの脳裏には、わずか数分前に繰り広げられた三笘との攻防が色濃く刻まれていたはずだ。
 このときは三笘が鋭い切り返しから縦へ突破。すかさず中へ折り返したパスを、懸命に戻ってきたカスターニュがカットして左CKに逃れていた。これまでのデータから、縦へ突破させなければピンチは招かない、という思いも働いていたのかもしれない。
 しかし、カスターニュの思考回路を見透かしていたかのように、三笘は異なる選択肢を選んだ。ペナルティーエリアの左角あたりで右へ急旋回。得意のカットラインを駆使しながら一気にスピードを上げて、カスターニュを置き去りにした。
 そして、相手ゴールからやや遠ざかる軌道を進んだ三笘は次の瞬間、右足を思い切り振り抜いた。いっさいの迷いを感じさせないプレー。ペナルティーエリアの外から放たれた一撃は対角線上を切り裂き、カーブの軌道を描きからゴールの右上の隅へ突き刺さった。
 ウォードも何とか反応して、向かって右へダイブした。しかし、ボールは必死に伸ばした右腕のはるか上を通過しながら急降下した。ゆえに実況も「Absolutely no chance」と唸り、三笘が決めた今シーズン4ゴール目へ最大級の賛辞を贈ったのだ。

 

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