長期契約での残留か移籍か…エンゼルス球団売却中止は今オフFA大谷翔平の去就にどう影響するのか…米メディアの見解も割れる
「エンゼルスのファンであれば悲観論者になることは容易なことだ。大谷とトラウトの周りのロースターはわずかに(補強で)良くなったかもしれないが、ア・リーグ西地区の今季の争いは、ブルース・ボウチー氏がレンジャーズの監督を受ける決断をした瞬間にさらに厳しくなった。アストロズは昨季の覇者、マリナーズ(の勢い)は消えることはない。エンゼルスが4位であれば(プレーオフで)ワイルドカードを手にすることはできない」
今季レンジャーズはジャイアンツ監督時代にワールドシリーズを3度制覇した“名将のボウチー氏を監督に迎えた。補強はしたもののア・リーグ西地区の他チームの状況を考えるとエンゼルスが優勝争いに浮上する可能性は厳しく、大谷が求めている「勝利」は得られないのではないか、という見通しを立て、長期契約を結び直す可能性を否定した。
地元紙のオレンジカウンティーレジスター紙も「この(売却中止という)驚きの進展は、チームの将来についての何カ月にもわたる憶測を終わらせるが、大谷に関連する問題を加えることになる」と指摘した。
「エンゼルスは、オーナーの状況が流動的だった間に大谷と契約延長の話し合いを進めることができなかった。過去5シーズンで1度も勝ち越しがなかったチームと約束をする前に大谷は、エンゼルスがどのようになるかを見定めたがっていたようだが、今、その話し合いはいつでも起こり得るだろう。大谷の次の契約は、エンゼルスがトラウトに保証した4億2600万ドル(約554億円)の記録を上回ると考えられている」と、新オーナーの決定待ちで、ペインティングされていた大谷の契約問題が急速に進む可能性があることを示唆。大谷の代理人、ネズ・バレロ氏が、球団保持の決断に関するニュースに対してコメントを拒否したことを付け加えた。
スポーツ専門サイトのジ・アスレチックは、交渉に詳しい複数情報筋による話として2月中旬に仮オファーの提出を予定していた5つの入札候補があったことを明かした。「25億ドル(約3250億円)をはるかに上回り、30億ドル(約3900億円)さえも上回る可能性がある金額で売却すると思われていた」という。その上で「もしかしたら、この決断において最も大きくすぐ起きるインパクトは、大谷のチームとの将来についてかもしれない」と指摘。
今回の売却中止決定が大谷の去就に与える影響をこう見立てた。
「新オーナーになっていれば、大谷と長期契約を結ぶことは確実に要求されただろう。ぜいたく税の基準額を超えて年俸総額を引き上げたかもしれなかった。新オーナーであれば、彼に球団の今後に関する信頼を見直させることもできたかもしれない」