「バルセロナがKAMADAを追っている」のスペイン紙報道…なぜ欧州ビッグクラブの鎌田大地“争奪戦”が勃発しているのか?
ブンデスリーガ1部アイントラハト・フランクフルトに所属している日本代表MF鎌田大地(26)の去就に注目が集まっている。クラブとの契約が今シーズン限りで切れる鎌田は、延長オファーに断りを入れたと伝えられているが、スペイン紙が名門バルセロナが興味を示していると報道するなど、早くも水面下で“KAMADA争奪戦”が勃発した。
フランクフルトは鎌田との契約延長を断念?
カタルーニャ州バルセロナに本社を置き、ラ・リーガのチームのなかでもバルセロナに関するニュースを数多く報じる日刊のスポーツ紙『Mundo Deportivo』が、次のような見出しとともに今夏へ向けたバルセロナの補強プランをスクープした。
「バルセロナはアイントラハトから鎌田に関する情報を収集した」
鎌田をめぐる記事が公開されたのは現地時間26日。同紙はそのなかで「我々が確認したところでは、獲得候補にあがっている選手の一人に鎌田大地がいる。フランクフルトに所属する26歳のプレーメーカーをバルセロナが追っている」とまず伝えた。
日本代表としてW杯カタール大会に出場。トップ下として全4試合に先発した鎌田は、京都・東山高からサガン鳥栖を経て、2017年6月に4年契約でフランクフルトへ移籍。2020年9月にはフランクフルトとの契約を2023年6月末まで延長した。
契約満了が迫っているなかで、フランクフルト側は欠かせない戦力として再延長を打診した。しかし、鎌田側はオファーに断りを入れたとドイツのメディアで報じられてきた。現地点でまだ更新されていない契約をめぐる情報をバルセロナ側も入手。その内容を『Mundo Deportivo』は「フランクフルトは鎌田との契約延長を断念した」とも報じた。
「ドイツ国内では、今シーズン限りで鎌田がフランクフルトを退団するのは確実だと見られている。ボルシア・ドルトムントが鎌田に興味を示しているという話もあったが、その後はすべて足踏み状態になっていると思われ、現時点で新たな情報はない」
鎌田が契約を2年間延長したのは、契約の最終年となる2020-21シーズンが開幕する直前だった。対照的に今シーズンは、リーグ戦が折り返しを迎えた段階になっても具体的な動きが見られない。同紙が入手した情報は正しいものだと見ていいだろう。
実際に契約が満了を迎えれば鎌田はフリーの立場となり、違約金なしの条件も加わったなかで各クラブと交渉できる。移籍市場では3000万ユーロ(約42億円)と、依然として日本人選手のなかでトップの価値がつけられている鎌田だけにフリーになる意味は大きく、状況によっては複数のクラブによる争奪戦が繰り広げられる可能性もある。
鎌田自身は2021-22シーズンから移籍するのも可能だったと明かしたことがある。最終的には希望するオファーが届かなかったのと自身の年齢とを熟慮した結果として、フランクフルトの延長オファーを受諾した。当時の決断を鎌田はこう振り返っている。
「ちょっと格上のクラブへステップアップするのもいいかもしれないけど、次のクラブへ行ってまた2、3年プレーすると、僕の場合だと27歳とか28歳になってしまう。目先のお金のことも含めて、僕が目指しているのはそういう移籍ではない。我慢してフランクフルトでプレーして、ここから上のクラブへ行くのが一番早いと思って残りました」