なぜ香川真司の12年ぶりJリーグ復帰が濃厚となったのか…揃った古巣セレッソへの復帰条件
前日にはW杯カタール大会に臨む日本代表メンバーが発表されていた。手術の発表と前後して香川は自身のツイッター(@S_Kagawa0317)を更新。3度目のW杯出場へ抱いていた一縷の希望に、踏ん切りをつけるようなつぶやきを投稿している。
「発表前の数日、4年間色々なことがあったなと改めて振り返る時間がありました。なかなか思い通りに行かなくても自分なりの信念を貫いて戦えた事又はそれをどんな時もサポートしてくれた自分に近い人達に感謝したい」(原文ママ)
あくまでも推測の域を出ないが、W杯メンバー落選とシーズン途中で手術を受ける決断は密接にリンクしている可能性がある。11月のタイミングでメスを入れれば、日本の新シーズンには間に合う。実際、ピッチにこそ立たなかったものの、W杯による中断が明けて5戦目だった22日のヘント戦で、香川は手術後で初めてベンチ入りを果たしている。
そして、プレーが可能になった状況を受けるかのように、前述した地元紙『HBvL』でJリーグへの復帰が報じられた。
記事は「今シーズンは順調な滑り出しを見せたが、以前のようなスター性を発揮できなかった」と香川の現状に言及。さらにこう続けた。
「手術と数週間のリハビリによる苦しみからは解放されたようだが、28日のルーヴェン戦は背中の違和感で再び欠場する。背中の問題は数日で解消されると見られるなかで、香川はJリーグへ移籍すると明かした。具体的なチーム名に関しては、チームの準備に支障をきたさないように、ルーヴェン戦が終わるまでは秘密にしていきたいとのことだ」
移籍先の最有力は古巣セレッソだ。
過去にセレッソはクラブの方針として、国内外へ移籍したレジェンドを積極的に復帰させてきた。柿谷曜一朗(現徳島ヴォルティス)や清武弘嗣、大久保嘉人(引退)、そして乾貴士(現清水エスパルス)を迎え入れてきたなかで、香川へも幾度となくオファーを出している。
しかも今回は、復帰する上での状況が整ったといっていい。
2021シーズンの途中から指揮を執る小菊昭雄監督は、16歳で結んだプロ契約への道を開いてくれた恩人でもある。小菊氏がスカウト時代、宮城県仙台市を拠点に活動するFCみやぎバルセロナへ別の選手を視察しにいった際に、高校に進学する直前の香川のプレーに目を奪われ、練習参加へ誘った縁が2006年1月のセレッソ入団に繋がった。