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大阪女子マラソンで日本人トップとなる3位でゴールした安藤友香だが自己ベストの更新ならず笑顔はなかった(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
大阪女子マラソンで日本人トップとなる3位でゴールした安藤友香だが自己ベストの更新ならず笑顔はなかった(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜ大阪女子マラ日本人トップで3位の安藤友香に笑顔がなかったのか…届かぬ“世界との距離”に瀬古利彦リーダーも落胆「(勝負に)いく力がなかったのか」

「安藤さんは途中までは2時間19分台ペースだったが、風が影響したのかタイムは伸びなかった。21分、22分台と安定した力は持っているが、将来的には20分を切るレースをしてもらいたい」
 では世界のトップレベルと比べて何が足りないのか。
 バルセロナ五輪銀、アトランダ五輪銅の有森裕子さんは「安藤さんは、勝負に出るのを躊躇した、と話していました。素質はあるので殻をやぶってほしい」と指摘。
 野口さんは、「終始エチオピア勢より前にいたので、30キロ過ぎでもあのまま前へ行くのかと思っていた。もっとスピードをつけ、果敢に勝負してほしい」と奮起を促した。
 瀬古さんは「行けないのは力がないのかな」と首をかしげ「練習方法など年齢に応じて指導者と練習方法を工夫し、記録を目指していかなければいけない」と注文をつけた。
 さらにパリ五輪代表を目指さずに9月のベルリンで日本記録更新を狙うことを表明した新谷に、「記録を出すのは陸上の基本。記録を出すことは選手の自信にもなる。でも新谷さんはわからないでしょう。(過去に)『マラソンはもうやらない』、『世界選手権には出ない』とか言うのも聞いたことがありますし、その時の気持ちで発言することが多いので(笑)。MGCに出て、五輪を目指してほしい。2時間17分、18分を出せる魅力がある。記録も大事だが、できれば五輪にも出て欲しい」とラブコールを送った。
 MGCの最終選考会となる3月の東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンを経て、パリ五輪代表の決まる10月のMGCで世界へ名乗りをあげるランナーが出てくるのか。瀬古さんのラブコールを聞いた新谷は、9月のベルリンから10月のMGC出場に方向転換するのか。かつて女子マラソン“王国”だった日本は、2004年のアテネ五輪での野口さんの金メダルを最後にメダルはなく、五輪での最高順位は、2021年の東京五輪での一山麻緒(25、資生堂)の8位となっている。
(文責・山本智行/スポーツライター)

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