香川真司のセレッソ復帰は成功するのか?
昨シーズンは[4-4-2]を主戦システムとしながら、対戦相手によって[4-2-3-1]を使い分けた。迎えた今シーズン。キャンプ先の宮崎県内で1月29日に行われた、J2ツエーゲン金沢との練習試合(45分×3本)では[4-2-3-1]をベースに戦っている。
主力組となった1、2本目は1トップでレオ・セアラ(27)が、2列目のトップ下で清武弘嗣(33)が、右サイドではジョルディ・クルークス(29)が続けて先発している。彼らのうちレオ・セアラとクルークスは、攻撃力アップの期待を込めて獲得した新戦力だ。
ブラジル出身の前者は、横浜F・マリノスでプレーした昨シーズンまでの2年間で21ゴールをマーク。年代別のベルギー代表に選出された経験を持つ後者は、アビスパ福岡でプレーした同じく昨シーズンまでの2年間で56試合に出場した実績を持っている。
金沢戦には出場しなかったが、セレッソは1月に入ってFWカピシャーバ(26)も獲得している。左利きでサイドアタッカーもできるブラジル人アタッカーも含めて、梶野智チーム統括部長は新体制始動会見の段階で、新シーズンへ向けた補強を次のように総括した。
「狙っていた選手は、全員獲得できたと思っています」
左右のサイドアタッカーには昨シーズンも活躍した為田大貴(29)や毎熊晟矢(25)、中原輝(26)が健在。特に為田と毎熊は昨年末に、2025シーズンまでの複数戦契約を結んだ。クルークスとカピシャーバの加入で、選手層はさらに厚くなった。
ボランチも奧埜博亮(33)に加えて鈴木徳真(25)、原川力(29)がスタンバイ。このうち鈴木とも昨年末に2025シーズンまでの複数年契約を結び、新戦力も神村学園高卒の大迫塁(18)だけとなっている。現状で十分戦えるとセレッソ側が考えている証と言っていい。
小菊監督が金沢戦の[4-2-3-1]を今シーズンの主戦システムと考えている場合、香川が食い込めるとすればトップ下になってくる。もっとも、日本代表でも慣れ親しんだポジションには、5シーズン連続でキャプテンを務める盟友の清武が君臨している。
加えて、走力と規律を重視する小菊監督は就任以来、高い位置からのプレスを含めたハードワークを選手たちに求めてきた。昨シーズンまでのセレッソに足りなかった得点力を、外国籍選手で補う形で編成された新シーズンも基本的なスタイルは変わらない。
ひるがえって香川はどうか。シントトロイデンで最後にプレーしたのは、後半38分からの途中出場だった昨年10月29日のウェステルロー戦までさかのぼる。11月に入ってからは、慢性的な痛みを抱えていた左足首の手術を受け、日本でリハビリを積んできた。