なぜW杯でドイツ、スペインを破り世界を驚かせた森保ジャパンの3月再出発の初陣チームが決まらないのか?
第2次森保ジャパンの初陣となる3月の国際親善試合のマッチメークが難航している。2日の技術委員会後にオンライン対応した日本サッカー協会(JFA)の反町康治技術委員長(58)は、24日に国立競技場、28日にはヨドコウ桜スタジアムで対戦する相手に関して「強豪国を探しているが、かなり四苦八苦しているのは否めません」と明かした。カタールW杯でドイツ、スペイン両代表を撃破してベスト16へ進出。世界を驚かせた日本代表が、なぜピッチ外で苦戦を強いられているのか。
3月24日に国立、28日にヨドコウ桜スタジアム
日本代表が再始動する会場は、すでに昨年末の段階で発表されている。その後に森保一監督(54)もJFAとの契約を延長した。しかし、肝心の対戦相手がなかなか決まらない。
最近になってウルグアイ、コロンビア両代表との対戦が合意に近づいていると、両国の著名なジャーナリストがツイッターを介して相次いで報じた。しかし、国際親善試合のマッチメークを担当する技術委員会の反町委員長は「報道するのは勝手ですが、われわれはまだそこまで携わっていない、というところです」と言及。さらに現状に対してこう説明した。
「強豪国を候補に探している段階ですが、たとえばヨーロッパが今回も難しいところを含めて、かなり四苦八苦しているのは否めません」
森保監督の初陣だった2018年9月のコスタリカ代表戦の実施が発表されたのは、指揮官が正式にサインする前の同年7月中旬だった。こうした状況を受けて、反町技術委員長は「2月に入っても決まらなかったら、プレッシャーがかかるところです」と苦笑したこともある。
しかし、実際に何も決まらないまま2月を迎えてしまった。
国際サッカー連盟(FIFA)は来たる3月20日から28日までの9日間を、今年最初の国際Aマッチデー期間に設定。各国サッカー協会に代表選手を拘束できる権利が生じ、期間中に最大2試合を組める。しかし、各大陸を取り巻いている状況を見れば、国際親善試合のマッチメークにおいてJFAの技術委員会が苦戦を強いられている理由が浮き彫りになってくる。
まずは反町技術委員長が一例としてあげたヨーロッパは、来夏にドイツで開催されるユーロ2024の予選が一斉にスタートする。フランス、オランダ、ポルトガル、イタリアだけでなくカタール大会で日本が戦ったスペインやクロアチアと、強豪国の大半が2試合を戦う。
例外は開催国で予選が免除されるドイツとなる。しかし、ともにホームでペルー、ベルギー両代表と国際親善試合に臨むスケジュールがすでに決まっている。ベルギーはヨーロッパの強豪国のなかで唯一、3月にユーロ2024予選を1試合しか戦わない国だった。