なぜW杯代表落ちのセルティック古橋亨梧が欧州での歴代日本人最多得点記録を更新したのか?
カタール大会に臨む森保ジャパンへのエールとともに、前出の『Glasgow Live』に古橋が思いの丈を語ったのは昨年11月上旬。そして、リーグ戦が再開された12月中旬以降で、リーグ戦では10戦すべてで先発。そのうち7試合で9度もゴールネットを揺らしている。
出場23試合で昨シーズンを大きく上回る19ゴールをマークしている古橋は、ローレンス・シャンクランド(ハーツ)に2差をつけてトップをキープしている。
プレミアシップは12チームがまず3回戦総当たりで対戦。その後に上位、下位の6チームずつに分かれ、1回戦総当たりで戦って最終的な順位を決める。首位を独走するセルティックは13試合を残している。今シーズンの量産ペースを踏まえれば、浅野が持っていた記録更新は時間の問題だった。得点王獲得へ向けて、シャンクランドとの実質的な一騎打ちを迎えている。
カップ戦を含めれば公式戦で22ゴールを量産している古橋へ、アンジェ・ポステコグルー監督も賛辞を惜しまない。セルティックの情報に特化したメディア『THE CELTIC WAY』は、かつて横浜F・マリノスを率いた指揮官の嬉しい悲鳴にも似た声を伝えている。
「古橋はあらゆる面で優れていて、特に運動量は驚異的だと言っていい。昨シーズンのように彼に肉体的な負担をかけ過ぎないように意識しているが、いまのところは休息を必要としている様子は見受けられない。ここのサッカーとスケジュールに適応していると思う」
ポステコグルー監督がこう語っていたのは、セントジョンストン戦の前日会見だった。迎えた一戦でゴールだけでなく、先制点となった相手のオウンゴールも誘発した活躍ぶりに、エースストライカーの古橋へ寄せてきた信頼感はさらに厚くなったはずだ。
5連勝を含めた18戦連続無敗とともに、セントジョンストン戦を終えてから数時間後の日本時間6日未明。自身のツイッター(@Kyogo_Furuhashi)を更新した古橋は、両手を使って頭の上で丸を作るゴールパフォーマンスの写真とともにこんな言葉をつぶやいている。
「Celtic at its best(セルティック最高)」
W杯代表落選の悔しさを笑顔と、さらに前へと進むエネルギーに変えてから3ヵ月あまり。セルティックの2シーズン連続の二冠獲得を目指し、何よりも自分自身の未来を変えていくために、スピードとクイックネス、そして決定力を兼ね備える古橋は貪欲にゴールを積み重ねていく。