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ギータに学んだ阪神の佐藤とオリ山本の影響を受けた中日の高橋宏は、それぞれ首脳員を困惑させた
ギータに学んだ阪神の佐藤とオリ山本の影響を受けた中日の高橋宏は、それぞれ首脳員を困惑させた

首脳陣を悩ます“越境”合同自主トレの波紋と賛否…ギータに学んだ阪神佐藤と山本由伸の影響を受けた中日高橋の騒動顛末

 プロ野球のキャンプイン序盤に2つの“騒動”が起きた。阪神の佐藤輝明(23)と中日の高橋宏斗(20)というチームの主力2人が、オフの間に行った“越境”自主トレの影響を受けて大きくスタイルを変え、首脳陣を困惑させた。結局、佐藤も高橋も、首脳陣の意向に沿うスタイルに戻りつつあり“騒動”は収まったが“越境”自主トレのあり方が球界に波紋を呼ぶことになった。

ソフトバンク柳田とオリックス山本の影響力

 沖縄キャンプで2つの騒動が起きた。
 キャンプイン初日に阪神の岡田監督を「真逆やもんなあ」と戸惑わせたのが、チームの浮沈のカギを握るサトテルの変化だ。
 ステップが広くなり、グリップの位置が下がり、ステップは擦り足になっていた。佐藤はオフにソフトバンクのギータこと柳田の自主トレに参加。この自主トレには日ハムの清宮、ロッテの安田ら球界期待の長距離砲も参加しているのだが、球界を代表するスラッガーの打撃を目の前で見て学び、その影響を受けたのだろう。
 キャンプ初日のフリー打撃で披露したバッティングは、後ろがコンパクトで前が大きい柳田型のスイング。ヒッティングポイントは体の近くに置き、ボールを引きつけて軸足の回転で打っていた。しかし60本強を打ったフリー打撃では、差し込まれる場面が多く見られ、柵越えは1本もなかった。
 岡田監督は、昨秋キャンプで「ヤクルトの村上だって前さばきよ。ポイントは前」「グリップの位置は一定に」などの打撃修正のヒントを与えたが、ひと冬を越え見せた佐藤は、まるで違った形に変わっていた。
「ハッキリ言って柳田は、ボールを引きつける。(私は)引きつけすぎることをやめろと言っている。真逆やな」
 佐藤が学んできた柳田打法は、ポイントを体近くに置き後ろ足重心の軸回転と、規格外のパワーでボールにメジャーでバレルゾーンと言われる角度をつけて、フェンスオーバーさせるスタイル。岡田監督が指摘する打法とは“真逆”なのだ。
 岡田監督は、水口、今岡の両打撃コーチを通じて、佐藤にポイントの位置についての助言を与えた。すると翌日はポイントを前に置くことを意識した打撃に修正。フェンスオーバーを連発させて岡田監督を「昨日とは、まるっきり違うやんか。ちょっと安心したわ」と笑顔にさせた。だが、“越境”自主トレの“功罪”を考えさせされる“騒動”だった。
 そして3日目には、中日の北谷キャンプで同じような“騒動”が起きる。WBCの代表に選出されている高橋宏のピッチングフォームが、左足をほとんど上げずにステップの沈み込みも少なく体を縦に使うオリックスの“7冠王”山本由伸をコピーしたような形に変わっていたのだ。高橋宏はオフに山本の自主トレに参加。やり投げなどを使ったトレーニング方法を学んだが、投球フォームまで、そっくりと真似てきたため、ブルペンにいた立浪監督を困惑させた。
 筆者は、その場にいなかったが、スポーツ各紙の報道によると、立浪監督は、高橋宏に「彼(山本)の良いところと高橋の良いところがあるわけで、全部が全部一緒にしようとするとおかしくなる」と話して、元に戻すように諭したという。高橋宏も立浪監督の言葉に納得したのか、5日のブルペンでは、防御率2.47、6勝7敗の成績を残した昨季のスタイルに戻っていた。
 だが、2か月間、山本型フォームに取り組んできた影響もあり、フォームもボールもバラバラだった。高橋は17日から宮崎の侍ジャパンの合宿に合流するが、それまでにフォーム固めを終えておかねば、第二先発として計算されているWBCもシーズンの開幕にも不安が残る。

 

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