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イタリアの移籍情報サイトがサガン鳥栖に所属するU-19日本代表DF中野伸哉を将来欧州に渡る「若手有望株」の1人として取り上げた(写真・アフロ)
イタリアの移籍情報サイトがサガン鳥栖に所属するU-19日本代表DF中野伸哉を将来欧州に渡る「若手有望株」の1人として取り上げた(写真・アフロ)

なぜイタリア移籍サイトは鳥栖DF中野伸哉をロナウジーニョ息子と共に「将来欧州で活躍する若手有望株」の1人に取り上げたのか?

最終的に東京五輪代表には選ばれなかったものの、大会期間中にはトップチームへ正式昇格。高校生にしてプロになった中野は、同年にJリーグの公式ホームページ上で掲載されたインタビューのなかで、将来の夢についてこう語っている。
「将来は海外でプレーしたい。代表では日本のために、Jリーグではサガン鳥栖ファミリーのために精いっぱいプレーして、結果がついてくればおのずと道も開けると思っています」
 チーム内に新型コロナウイルスの陽性者が出た関係で派遣中止となったが、W杯カタール大会に臨んでいた森保ジャパンに帯同する、10人のトレーニングパートナーにも名を連ねた。日本サッカー協会の反町康治技術委員長は、トレーニングパートナーをこう位置づけていた。
「彼らはこれからの日本代表を背負っていく第一候補と言える」
左利きというストロングポイントと中野自身のサイズを踏まえれば、長友佑都(36、FC東京)の次の世代が求められて久しい左サイドバック候補の一人と言っていいだろう。
もっとも、2023シーズンの開幕を目前に控えている中野の名前が、ヨーロッパのクラブへ向けて報じられたのは、実は今回が初めてではなかった。
 スイスを拠点とするサッカー関連調査機関で、国際サッカー連盟(FIFA)の教育研究機関でもある『CIES Football Observatory』は今月8日に、世界における21歳以下の有望株ランキングを発表。左サイドバック部門で中野が7位にランクインした。
 ランキングは昨年12月時点における出場試合のレベルやプレー時間、成績などに基づいて作成されていた。同機関は2025年6月末まで鳥栖と契約を結んでいる中野の市場価値、すなわち違約金は210万ユーロ(約3億円)と算出している。調査機関のこうした動きも『TUTTOmercatoWEB』における報道に大きく影響を与えたと見られる。
 日本の有望株としてヨーロッパで名前が報じられた中野だが、今年はキャリアのなかでも大事な戦いが待っている。年明けとともにU-20代表となった日の丸の戦いでは、FIFA・U-20W杯出場をかけた3月のアジア最終予選、そして5月の本大会が待っている。さらに来夏のパリ五輪出場を目指すU-22代表での活動も本格化。競争の先に森保ジャパン入りも見すえる。
 何よりもJ1での出場試合数が2021シーズンの「34」から昨シーズンは「19」へ、プレー時間も「1790分」から「1124分」へ大きく減った。すべての活動の原点となる鳥栖でのプレーにまずは集中しながら代表、そして世界へと扉が開くかもしれないシーズンに臨む。

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