【独占激白】中日の立浪監督が語る衝撃トレードの真相…「批判は覚悟。オフに変えなければならないところはすべて変えた」
――阿部、京田の守備力の不安に加え、星野仙一監督流の主軸を出してチームの空気を変えたいという大胆なマネジメントだったのではないですか?
そう立浪監督にぶつけると、「そんないいものじゃないですよ」と謙遜して笑い、トレードの真意を明かした。
「自分たちが星野さんの下でやってきた時代とまったく環境も違うし、試合数は130から143試合に増えてもっと厳しい時代になりました。チームが強くなるために厳しさは最低限必要だと思うんですが、今のドラゴンズを見たとき、野球の基本であるセンターラインを固めないといけないと考えたんです。ピッチャーがいいと言われていたが、そのピッチャーで勝てなかった。センターは岡林が出てきたので、ドラフトではセカンド、ショートを守れる選手を3、4人指名した。急にチームのホームランが増えるわけではないですからね。センターラインを固めた野球をやっている間に両サイド(センターライン以外の選手)が打てるようになってくれればいい。そう考えると、サードには(高橋)周平がいますし、石川も怪我から復帰してくる。そこに阿部と3人が重なれば(センターラインを固める構想は)スムーズにいかないと考えたんです」
昨年の夏以降の内野布陣は、セカンドが高橋周、ショートが龍空、三塁が阿部だった。立浪監督は、その布陣ではセンターラインを軸にした守備力が固まらないと考え、ドラフトでは2位で村松開人(22、明大)、6位で田中幹也(22、亜大)、7位で福永裕基(26、日本新薬)、育成で樋口正修(24、武蔵ヒートベアーズ)と4人の内野手を指名した。三塁に阿部、高橋周、石川と3人が重なることになり、阿部が浮いたのである。阿部のセカンドでは、守備範囲に不安があり、京田は、打撃不振もさることながら、肉体改造の影響からか、ショートの動きも悪くなっていた。
――ドラフト候補のチェックのため、監督自ら神宮球場に足を運んでいましたね。正直、長打力が欲しいチーム事情を考えると阪神が外れ1位で指名した中央大の森下翔太を指名するかと思っていましたが、そういう狙いがあったのですね?
「森下も候補でしたが、村松、田中はウチに足りないものを持っている選手。これからどうなるかわかりませんが、いい選手を獲れたと思います。2人はキャンプで一番目立っているくらいに頑張っている。土田も、まだまだ安心できない選手。オープン戦の結果次第では、村松、田中が開幕で二遊間を守っている可能性もあるんじゃないですか」
村松、田中にはセカンドに限らずショートもやらせ、福永はサード。昨年の経験がある土田に加えて村松、田中の3人で二遊間を争わせている。