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最下位からの逆襲に燃える中日の立浪監督(写真・黒田史夫)
最下位からの逆襲に燃える中日の立浪監督(写真・黒田史夫)

【独占激白】中日の立浪監督が語る衝撃トレードの真相…「批判は覚悟。オフに変えなければならないところはすべて変えた」

 一方で涌井に白羽の矢を立てたのは、センターラインを中心とした守りの野球を牽引する投手陣をさらに強化すると同時に昨季はホームでは4つ勝ち越しながら、ビジターで29勝42敗と大きく負け越したビジター対策もあった。チーム防御率もホームでは2.88だが、ビジターでは3.69と下がる。
「千葉ロッテ、楽天の2球団時代に、風の強い千葉や寒い仙台などのホームといえどビジター以上に厳しい環境で最多勝を取っているピッチャーです。ウチはバンテリンでは(戦績が)いいが、ビジターで弱い。もっともっと強くなるためには、必要な戦力だと考えました。実際にキャンプでボールや状態を見て、さすが154勝しているピッチャーだなと、思わされましたね。年齢は感じさせない。昨年は、選手生命を危ぶまれた怪我があって、投げていないので、体への負担はない1年でしたからね」
 涌井は昨年5月18日のロッテ戦で打球を受けて右手中指を骨折。9月に復帰したが、10試合に留まり4勝3敗、防御率3.54という成績だった。
 涌井が加わることで、先発陣は、盤石となったが、それ以上の効果もあるという。涌井の野球に取り組む姿勢とチームに与える影響をロッテ投手コーチ時代から落合英二ヘッドは評価していた。
 実際、2月1日から連日ブルペンに入りストレートだけを投げ込んでいる。立浪監督も「黙々とやりますからね。ウチは100勝しているピッチャーも一人もいないんで」と、その効果に期待を寄せている。
――阿部、京田というチームの顔だった2人を放出することに「大丈夫か?」と懐疑的な意見もファンの間からは出ました。でも、星野氏が監督時代に主軸をトレードで出してチームの空気を一変させたような“劇薬効果“もあるのではないですか?
「空気を変えるというより、今ドラゴンズは、強くなれる準備をしていかないとダメなんです。勝ちたい、勝ちたいでは、ずっと一緒。今は我慢する時期だと思っています。もちろん結果がすべての世界。勝たなければファンの方々に許してもらえないのかもしれないが、チームは、変わっていくんだという信念を持ってやっています。自分が批判されることはいいんです。何年後かに、“あのときああして良かったな”と、ファンの方々にも納得してもらえると思うし、今、その準備段階なんです」
(次回に続く)
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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