メッシのPSGまで…KAMADA争奪戦が沸騰!なぜ欧州ビッグクラブが鎌田大地に触手を伸ばすのか?
ひとつは前述したように、フランクフルトと結んでいる契約が今シーズン限りで満了を迎える点にある。鎌田は最初の契約の最終年だった2020-21シーズンが開幕する直前に、さらに2年間にわたって延長している。対照的に今シーズンは、リーグ戦が後半戦に入っても具体的な動きが見られない。フランクフルト側のオファーに断りを入れたという情報もある。
このまま契約が満了を迎えればフリーとなり、移籍金なしの条件が加わったなかでオファーを出してきたクラブと交渉できる。移籍市場では3000万ユーロ(約42億円)の価値がつけられている鎌田だけに、フリートランスファーとなる意義は大きい。
もうひとつが今シーズンの鎌田が示している、質の高いプレーとなる。
鎌田は20試合を終えたリーグ戦で、7ゴール4アシストをマークしている。さまざまなデータを提供するイギリスメディアの『Who Scored』は、このうち鎌田のゴールに注目。現地時間10日の段階で33.3%をマークしているシュート決定率が、トータルで20本以上のシュートを放っているブンデスリーガの全70選手のなかでトップに立っていると報じた。
同メディアは「中盤からゴールを狙う選手を増やしたいチームにとって、彼は理想的な選手と言っていい」と鎌田を称賛。今シーズンの主戦場であるボランチだけでなくトップ下、左右のサイドハーフでもプレーできる中盤でのユーティリティーぶりに加えて、味方を生かすパス能力、オフ・ザ・ボールでのハードワークも加えた上でこう位置づけた。
「今夏に契約満了を迎える注目のスターは数多くいるが、そのなかでも鎌田は最も興味深い選手として、攻撃力のアップを望むクラブのウィッシュリストの上位に入る可能性がある」
森保ジャパンの攻撃の差配役を託された昨年のW杯カタール大会は、全4試合に先発出場しながら、個人的には不本意な結果に終わった。PK戦の末にクロアチア代表に屈した決勝トーナメント1回戦後に、鎌田は次回W杯へ向けてこんな言葉を残している。
「日本がもっと強豪国になっていくには、ビッグクラブでプレーする選手が数人は必要だと思う。ビッグクラブでプレーしている選手は余裕が違うというか、ピッチ上に立っているだけで空気感が違う。絶対的な自信を漂わせているというか、言葉ではなかなか言い表せないようなものも感じさせる。そういう選手になれるように頑張っていきたい」
すでに名前があがっていたドルトムントやトッテナム、ACミラン、ベンフィカに、さらにマンチェスター・シティ、リバプール、パリ・サンジェルマンが加わった。あくまでも報道ベースで、今後にどのような展開が待ち受けるかはまだまだわからないが、ビッグクラブ入りへ年齢的にも大きなチャンスと位置づけている今夏の移籍市場で、鎌田が思い描く状況が生まれつつある。