移籍金が約56億円に高騰と噂される三笘薫の争奪戦にリバプールも参戦?!元プレミア監督が英メディアで提言
もっとも、今シーズンが終われば状況は大きく変わってくる。
ブライトンの地元メディアの『Sussex World』はカイセドに加えて、アルゼンチン代表のW杯カタール大会優勝に貢献したMFアレクシス・マクアリスター(24)を今夏に売却する用意があると報じている。設定されている移籍金の合計額は最低でも1億2000万ポンド(約193億1000万円)。同メディアはその上で、ブライトンの戦略についてこう言及した。
「世界中から若い選手を発掘し、獲得してきた積み重ねがいま、当然の評価を得ている。すべてがプレミアリーグにおける地位を確立する上で貢献している」
発掘した一人の三笘は2021年夏に移籍金250万ポンド(約4億円)で川崎フロンターレから加入し、昨シーズンはベルギーのユニオン・サンジロワーズへ期限付き移籍して武者修行を積んだ。迎えた今シーズンはW杯による中断明けから大ブレークを続け、アーセナルが真っ先に注目したなかで移籍金は3500万ポンド(約56億2700万円)に急騰したとされる。
ブライトンにとっても三笘は必要不可欠な戦力であり、市場価値もまだまだはね上がると踏んでいるのだろう。しかもリバプールの場合、10位にあえぐリーグ戦でこのまま低迷が続けば、来シーズンのヨーロッパカップ戦の出場権は得られない。26歳になるシーズンでさらなる経験が求められる三笘にとっても、移籍するメリットは見出せない。
本人は現状をどのように感じているのか。ブライトンの公式HP上で先月下旬に公開されたインタビューで、三笘は「客観的な視点から自分を見ています」と語っている。
「すべての試合で得点を目指したいですし、そのような(ゴールを狙える)状況で僕がいいパスを受けられるチームは他にありません。ここで得点できなければ、他のクラブでも得点はできないと思っています。チームが勝利しているから僕は称賛されてきました。ただ、個人的にはビッグクラブの選手たちからはまだまだ遠く離れていると感じています」
このインタビューの直後に行われたボーンマス戦では、後半終了間際に公式戦で3試合連続ゴールとなる決勝弾を苦手と公言する頭でゲット。直近のクリスタル・パレス戦では惜しい一撃を相手キーパーに止められ、ブライトンも引き分けに終わっている。
長丁場のシーズンを戦いながら、自分の足元をしっかりと見つめる冷静沈着な姿勢はいまも変わらない。すべてはチームの勝利のために。それでも、自然体を貫く和製ドリブラーが結果を残していくたびに、本人の意思とは関係なく、三笘の周囲は騒がしさを増していく。