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就任3年目の横浜DeNA三浦監督(写真・黒田史夫)
就任3年目の横浜DeNA三浦監督(写真・黒田史夫)

【独占激白】なぜ横浜DeNA三浦監督は沖縄キャンプで長時間“猛練習”を廃止したのか…「優勝したヤクルトとの8ゲーム差を埋めるために何が必要かを考えてきた」

 「横浜頂戦」をスローガンに25年ぶりの優勝を目標に掲げて沖縄キャンプをスタートさせている横浜DeNAの三浦大輔監督(49)に沖縄・宜野湾で独占インタビュー。具体的なプランや考えを聞いた。今キャンプは強制的な長時間練習を廃止。選手に自分で考える時間を与えるスケジュールにした。ヤクルトとの8ゲーム差の理由を分析して考えだされた手法だという。三浦監督のインタビューを4回に分けて紹介する。

 「選手に考える時間を与える」

 

 キャンプの練習メニューは午後4時頃までには終わり、午後4時30分が近づくと監督、コーチの姿が宜野湾の横浜DeNAキャンプから消える。
「昨年は、(午後)3時30分に各コーチの代表が集まってミーティングをして、その他のコーチは引き続き指導していたのですが、今年は、午後4時30分にコーチの全員ミーティング。そこまでにすべて指導は終わる、ということにしています」
 三浦監督の説明だ。
 理由は、選手に「考える時間を与えること」にある。
「朝から晩までしっかりと管理する方法もあるでしょう。でも今のウチのチームに必要なのは、そこじゃない。もっと考える時間を与え、考えて行動しなければならない。コーチによっては、もっと教えたいと思う人もいたが、“無し”にしています」
 そこから後の居残り練習は「教えてもらったことを考えて一人でやるのもOKだし、映像を見て、振り返るのもOK」ですべて自主トレとなる。
「昔は朝から晩までぐったりするまでやりきった。自分もそれを経験して結果も出しました。でも、それをやらないで効果を出す人もいます。今の時代は情報量も増えている。大事なのは練習の中身と集中力。選手が考えて行動して、そこをコーチがサポートする形が、今の横浜DeNAベイスターズには必要なのです」
 確固たる信念がある。
 三浦監督にとって勝負の3年目。
「去年のオフから(優勝に手が届かなかった)悔しさをどうすればいいか、どう晴らすかを考えていました。キャンプに向けてやらねばならないことを準備してキャンプインできました」
 その準備のひとつが“長時間猛練習”の廃止と「考える野球」の推奨にあったのである。
 そして、これが三浦監督が考えたヤクルトとの差を埋める第1歩だった。
 昨季は「横浜反撃」をスローガンに掲げ、前年度の最下位から2位へと躍進した。独走したヤクルトとは最大17.5ーム差があったが、6月28日の阪神戦から8月21日の広島戦まで驚異的ともいえるホーム17連勝の快進撃を見せて、4ゲーム差に迫り、8月26日から勝負の3連戦を迎えた。だが、結果は3連敗。直接対決で3タテをして1ゲーム差に詰め寄るプランが逆に7ゲーム差に開き“終戦”。最終的にはゲーム差は「8」となった。
 三浦監督は、そのヤクルトとの差を「経験の差」だと分析した。
「直接対決の3連敗をどう踏まえて今年戦うのか。2位と言ってもゲーム差を離されての2位。夏前には接戦が多く、それが自信となってチームが成長しました。だからこそホームの17連勝につながった。成長はできたが、足らなかった部分があります。その足らなかった部分を埋めるには、キャンプから考え、主体性を持つことなんです」
 そしてシーズンをトータルで考えたときに必要なものがある。
「あの3連敗がクローズアップされますが、シーズンを全体で考えると、どう(勝利を)積み重ねるかが重要なんです。去年は、先発が崩れたときに立て直せずにさらに点差が開いた。広島との対戦(8勝17敗)などもそう。踏ん張って接戦に持ち込み、ひっくり返す試合を増やさないと優勝はできない。そこが課題です」

 

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